台湾の人口減少・高齢化の影響を日本やASEANと比較する

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台湾へ視察を兼ねて、首都台北へ行ってきました。台湾は人口減少・高齢化という問題もあり、経済はある程度成熟しきっているのではないかと仮説を立てています。

人口が増加中のASEANと比較し、人口減少に向かう日本や台湾はどうなるのか?台湾の人口と高齢化問題を紹介します。

台湾の人口と、今後の人口推移

台北バスターミナル

台北のバスターミナル

台湾のwikipedia(維奇百科)に”臺灣行政區人口列表“のページよると、2016年3月のデータで、台北市の人口は約270万人。首都とは言え、人口規模では国内第4位。人口順に見ると下記の通りになります。

  1. 新竹市(台北市の衛星都市) 約397万人 ← 約396万人(2014年)
  2. 高雄市(台湾南部の都市) 約277.8万人 ← 約278万人(2014年)
  3. 台中市(台湾中部の都市) 約274.8万人 ← 約272万人(2014年)
  4. 台北市(台湾の首都) 約270.4万人 ← 約270万人(2014年)

このように、台湾では首都圏や大都市でも人口増加はほぼ見られません。国全体で僅かに人口増加してますが、地方では日本同様に高齢化が進み、人口減少傾向。なお、 台湾原住民 (本省人)·外省人・ ホーロー人 · 客家人など、出自によって同じ国民でも違う呼称が用いられることがあります。詳しくは下記のページで。

台湾でたまに耳にする、本省人・外省人って何?

台湾の人口を東南アジアの都市と比較してみた

ASEANと台湾の人口推移

1980年から2019年までの人口推移と将来の予測 (出所:世界経済のネタ帳)

台湾の人口は、約2,348万人。ASEANに置き換えると、マレーシアの人口が約2,960万人、カンボジアが1,540万人ですから、ちょうど中間あたり。私が住むタイは台湾の3倍近くの人口を持ち、約6,850万人です。

各国の人口と首都人口を見てみましょう。これを見ると台湾とタイは総人口の10%を超える人々が首都に暮らしています。台湾なら新北市、バンコクなら周辺4県を含む首都圏を含めば更に大きなマーケットが首都にあると言えます。

  • 台北市の人口:270万人 (台湾:2,348万人)
  • プノンペンの人口:150万人 (カンボジア:1,540万人)
  • クアラルンプールの人口:160万人 (マレーシア:2,972万)
  • バンコクの人口:800万人 (タイ:6,800万)

 

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人口の減少が経済に与える影響

先ほど紹介した表で、タイやマレーシアは右肩上がりに人口増を続けていますが、台湾は既に横ばい、日本は人口減少傾向に入っていることが分かります。日本の内閣府の「人口減少がどう経済に与えるか?」という資料を紹介しましょう。

我が国における急速な少子・高齢化の進行により、生産年齢人口は、既に1995年をピークに減少に転じているほか、総人口も2006年をピークに減少に転じることが見込まれている。このような人口動態における大きな変化が、我が国経済社会に与える影響としては、大きく以下のようなものが考えられる。
第1は経済成長への影響である。少子化による生産年齢人口の減少により、経済成長に対する労働投入の寄与は低下していくと考えられる。また、人口に占める高齢者の比率の高まるなかで、国全体としての貯蓄率が低下すれば、資本投入による経済成長への寄与も小さくなっていく可能性がある。このように、高齢化・人口減少は、長期的に経済成長を決定する主要な生産要素である労働、資本の伸びの減少等を通じ、経済成長を鈍化させる懸念がある。

第2は公的部門への影響である。人口減少やそれに伴う経済成長の鈍化により税収が減少する懸念があるほか、少子・高齢化の進展に伴い社会保障制度の支え手である現役世代に対する受給世代の比率が高まることにより、社会保障制度をめぐる状況は厳しさを増すことが見込まれる。また、現在の給付水準を維持しようとすれば、現役・将来世代の費用負担が大幅に増加することになる。このような財政・社会保障制度をめぐる環境の悪化と世代間格差の拡大は、公的部門の持続可能性を大きく低下させるのではないかとの懸念がある。

第3は以上のような社会保障負担を中心とする国民負担率の過度の高まりが、現役世代を中心とする家計や企業の可処分所得を低下させるとともに、労働意欲や設備投資意欲を阻害すること等により経済成長を更に低下させるのではないかという懸念である。

(出所:内閣府 『高齢化・人口減少の下での経済成長の展望』)

行政の作成した資料なので、少し分かりづらいですが、要約すると以下のような感じでしょう。

  • 日本の生産年齢人口は、1995年をピークに減少。総人口も2006年をピークに減少に転じている
  • 高齢化・人口減少は、労働、資本の伸びの減少等を通じ、経済成長を鈍化させる
  • 経済成長の鈍化により税収が減少、社会保障制度の維持も厳しくなる可能性がある
  • 社会保障負担を中心とする国民負担率の高まりが、家計や企業の可処分所得を低下させ、経済成長を更に低下させる

日本と台湾の人口問題を比較すると・・・

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現在日本では五輪特需やアベノミクスの影響で株価や地価は上昇局面を見せています。しかし、人口が減少していく社会では、前述の通り、経済も減退していくのが一般的です。IMFの試算では台湾の人口はまだ減少局面に入ってはいませんが、高齢化は始まっています。

台湾は2016年に超高齢化社会へ

行政院(内閣)の国家発展委員会はこのほど、現在35~44歳の労働者平均年齢が、2030年には55~64歳になるとする予測を発表した。少子高齢化の進行による労働人口の減少が顕著になり、将来に合った経済や社会福祉政策の推進が求められそうだ。

台湾は2018年に、総人口のうち65歳以上の高齢者が占める割合が14%以上の「高齢社会」、2025年に21%以上の「超高齢社会」を迎えるとされている。
(出所:フォーカス台湾 “台湾、2030年の労働者平均年齢55~64歳=政府機関予測“)

記事の冒頭で、経済はある程度成熟しきっていると仮説を提示しましたが、台湾では中国との関係を巡った政治の問題もあります。日本と同様に社会保障費の増大など、結婚年齢の遅れなど社会的な問題も出てきました。

人口問題以外に共通項の多い日本と台湾、在留邦人は2万人規模

ただ、距離や文化が近い日本人にとって台湾は観光でも良い場所ですし、ビジネスもやりやすい。最近は台南在住のまえちゃん(@maechan0502)や台中在住のcubさん(@cub_nomad)など、日本人が台湾に住む例も増加しています。

日本と台湾は人口問題や少子高齢化問題を抱える国同士、地震国という共通点も。台南地震や熊本の地震など、有事の協力体制も出来てますし、ずっと日本と良い関係であり続ければ良いなと思います。台湾に移民してくる外国人も労働者ではなく外国人配偶者としての移民が多く、さほど数は増えていません。今後政策の変化があるのかが見ものでしょう。

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板野 雅由
バンコク在住、タイ不動産のラ・アトレアジア(タイランド)代表。2013年にバンコクへ移住し、不動産仲介会社設立。現在はバンコクにてコンドミニアム「168 Sukhumvit 36」を開発中、日本国内でタイ不動産セミナーも開催しています。 1981年岡山県倉敷市出身、在タイ4年目。