
台湾でワーキングホリデー中の「まえちゃん」こと前原さん(@Maechan0502)に、首都・台北で会ってきました。オーストラリアでのワーホリを終え、台湾で新しくワーキングホリデー生活をはじめて1か月の彼に、台北での生活や労働環境をインタビューしてきました。
ワーキングホリデー(ワーホリ)はビザの種類の1つであり、ワーキングホリデーの定義は、「二国間・地域間の取決め等に基づき、各々が相手国・地域の青少年に対して、休暇目的の入国及び滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認める」となっています。 これはワーキングホリデーという名前の通り、休暇を楽しむ目的で現地での生活費をまかなうための労働が許可されているという意味になります。 また、現地で長期滞在することによって現地の異文化を理解し、相手国と自国の相互理解を深めることを目的として作られた制度です。
(出所:ワーキングホリデーとは – オーストラリア留学ドットコム)
ワーホリとは上記の通り、協定がある2か国間で「滞在中の付随的な就労」を認めるビザです。外国で仕事をする場合、ビジネスビザ取得が必要ですが、文化交流のためアルバイトしながらの滞在を認めるのが、ワーホリビザ。それでは、まえちゃんの台湾ワーホリ生活インタビューいってみましょう。
※通貨の台湾元と日本円のレートは1台湾元=3.33円程度です。(2016年4月時点)
台湾でワーキングホリデー、台北で感じることを聞きました!
--はじめに台湾でワーホリしようと思ったきっかけを教えてください。
過去にオーストラリアでワーホリをしてましたが、物価も高く満喫できてなかったと思います。自然が多いので、サーフィンとかアウトドアスポーツが好きな人には向いているかもしれません。次は自分の好きな国を選ぼうと思い、友達も多い台湾でワーキングホリデーすることに決めました。
▼可愛い台湾女性にはトゲがある。日本人が絶対知らない台湾人女性の性格を3ヶ月以上一緒に暮らしたぼくが紹介します。
あとは、台湾には好きな女の子がいたのも大きかったですね。
(まえちゃんが好きなのは、上記事のリリーさんです)
--台湾行きのワーキングホリデービザを取得するまでの期間はどの程度あったのでしょうか?
台湾行きは約半年前に決めました。でも、ワーホリビザを取得したのは台湾に来る5日前です。
--たった5日前で間に合うんですね(笑) どうやって申し込んだのでしょうか?
台湾は国ではないため、台北経済文化代表処が駐日大使館としての役割を果たしています。全国で5か所ほどあると思いますが、実家に近い横浜の事務所で取りました。申込の翌日にワーキングホリデービザを発行してもらえます。
--ワーホリビザは発行数に制限があると聞きましたが、問題なかったのでしょうか?
台湾から日本へ来るのは人気が高く、「抽選で当選後にようやく来日出来る」と台湾人の友人が言っていました。逆に日本から台湾で行く分は人気が無いというか、上限に達しない限りすぐに発行してもらえるようです。台湾から来る人に比べれば、日本人は台湾行きワーホリビザは取得しやすいですね。
--ワーキングホリデービザの取得には幾らほどかかるのでしょうか?
ゼロ円(無料)です。「ワーホリビザを取得して明日から台湾行こう」と思えば、行けるほど気軽です。有効期限は半年で、台湾内で半年間延長してもらうか、半年の滞在中に台湾外へ出れば自動延長されます。合計1年間は滞在できるようですね。僕も年末に一度日本へビザ延長のため帰国する予定です。
ただし、ビザ申請時に銀行預金の残高証明を提出する必要があります。30万円以上の預金残高が最低要件となっているので、その点は気をつけてください。
台北での不動産探し、生活インフラ、言語面について
--住むところはどのようにして、見つけたのでしょうか?
来台前に決めていました。以前にフィリピンでワーホリした際に知り合った台湾人のご両親が不動産をお持ちで、その物件を借りました。賃料は月4万円ぐらいです。
--台湾に知り合いがいない場合は、どのようにして住むところを見つければいいでしょうか?
まずは、日系のゲストハウスに泊まるのも方法です。EZ STAY Taipeiさんや山田屋さんが有名ですね。1週間程度泊まっている間に「591」などのウェブサイトでお部屋を探します。台湾の不動産は1年契約が殆どですね。運が良ければ、ゲストハウスの方が相談に乗ってくれるかもしれません。
台湾の不動産は区分所有が多く、お部屋ごとにオーナーが異なるケースが殆どです。そのため、不動産屋に行くよりはアプリ等を使ってオーナーと直接契約するのが良いかもしれません。台湾の物件は家具付きのお部屋も多いので、僕の住んでいるところも同様でした。ただ、当然ながら契約書は中国語ですね。
--Wi-FiやSIMカードなど生活に必要な通信インフラはどうされましたか?
着いてすぐにSIMカードを買いました。オーストラリアでSIMフリーの携帯を持っていたので、通信キャリアのショップに行くだけでした。台湾在住でShimajiro@mobilarというブログを書いている友人のしまじろーさんにオススメの通信プランを教えてもらい、それに決めました。
デザリング機能付きスマートフォン emobile GS02 SIMフリー 海外使用もOK
--SIMを購入された後は、具体的にどのようなインターネットプランにされたのでしょうか?
僕が持っているのはツーリストSIM(観光客用のSIMカード)ではなく、プリペイド(前払い式)SIMカードです。台湾大歌大(タイワンダーガダー)というキャリアの8GBのプランです。有効期限半年で1,000台湾元(約4,000円)です。8GBの容量に達すると、ネット利用が出来なくなります。
--日本語はどの程度通じるのでしょうか?普段の言語はどうしていますか?
普段は日本語で生活しています。あと、英語で・・・。観光客が多いお店などでは、日本語が通じたりもします。大学に日本語学科も多いため、想像以上に日本語が通じますよ。8年前に学んだ中国語の数字と簡単なセンテンスを思い出しながら、それを使うこともあります。まだ言語面では、台湾に甘えちゃってますね(笑)
--お金の管理はどうしているのでしょうか?銀行口座は開けるのですか?
僕はまだ開設していないのですが、ワーホリビザがあれば銀行口座を開くことも可能のようです。ビザ無しでの銀行口座開設は厳しいと聞いたことがありますね。台湾のワーホリビザは30歳未満という制限がありますが、それをクリアすれば問題ないはずです。僕はオーストラリアでも銀行口座を作りました。
--台北市内の交通の便はいかがでしょうか?
台北の地下鉄駅にある路線図と価格表
地下鉄が充実しているので、非常に快適です。地下鉄のプリペイドカード「悠遊カード(EASYCARD)」があれば、運賃も2割引きになります。地下鉄駅で買えるので、台北で暮らすには欠かせないカードです。
「悠遊カード」で利用できる「You Bike (U Bike)」という自転車レンタルサービスも各地にあります。3万円ぐらいあれば十分買えますし、台北では自転車があるととても便利ですね。
--台北に来て1か月ですが、危ない目にあったことはありますか?
一切ありません。治安については非常に良いと思います。オススメしませんが、例えばスターバックスでパソコンを放置してトイレにいっても取られません。オーストラリアなどでは無くなっているかもしれませんね(笑)
台湾でのワーキングホリデー生活、仕事・給与面について
--現在のお仕事について教えてください。
台北で日本人が集まる林森北路でウェイターとして働いています。
--どうやって仕事を見つけたのでしょうか?
友人の紹介です。『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』という本を出されているモギさんに紹介いただきました。職種として多いのは飲食店や日本語教師ですね。中国語を話せる場合は、時給が300台湾元(約1,200円)程度になることもあります。
--従業員の方や、現地の方の給与水準はいかがですか?
台湾人が大半ですが、中華系フィリピン人が働いています。台湾人のスタッフの中には中国語の他、日本語も出来る人材がいて、彼なんかは1時間150台湾元(約600円)ぐらいもらっていると思いますよ。
--ワーホリ制度を使って、週何回程度働いているのでしょうか?
週4回のペースで、1日3時間~6時間程度勤務しています。
--失礼ですが、そのペースで月にいくらぐらいもらえるのでしょうか?
7月分の給与は約8,000台湾元(約3.2万円)ぐらいですね。研修期間があるので、それが終わると少し時給が上がるイメージです。今は時給520円ぐらいですね。ウェイター仕事だけでは台北だと食べていけないのですが、ブログからの収入が月7万円ほどあるので生活出来ています。
--台北での仕事について、感じることを教えてください。
やはり日本と違うので、台湾人は良くヒマな時に携帯をいじってますね。空いている時間は自分の時間という認識があるからだと思います。日本は決まったルールを守りますが、台湾人はより自由な感じがしますね。同僚のフィリピン人は携帯ばっかり見てますね(笑)
--台湾での生活費はいかがでしょうか?
僕のブログで書く予定(記事の最後に紹介しています)ですが、1日で大体300元(約1,200円)ぐらい使います。食費と暑いので飲み物代ですね。
--この予算だと、普段どういったものを食べているのでしょうか?
朝はシエントウジャン(塩辛い豆乳スープ)など、台湾に良くある朝食屋さんでとります。お昼は60元~80元(約240円~320円)の弁当ですね。野菜も食べられるのでオススメです。夜はもう少し予算を取って、ジャージャー麺など麺類を食べることもあります。地方に行くと、もう少し安くなりますね。
--日本食を食べるとすると、予算はいかほどでしょう?
吉野家で120元~180元(約480円~720円)程度ですね。日系のお店でチャンポンを食べると180元(720円)、天丼などは300元(約1,200円)ですね。
--その他に使う生活費はいかがでしょうか?
携帯は8GB容量に達するまでのプランですが、1,000元(約4,000円)ですね。ただ、台湾はモノを買うとなると割高に感じます。DAISOへ行っても39元ですから約120円、日本で買った方が物価も安いような気がします。
台湾に移住する際に知っておきたいこと
--台湾に来る前に準備しておいたほうが良いものはありますか?
何よりもビザでしょうね。台湾のワーホリビザの大変なところは、ビザの発行日から滞在可能日数が減っていくことです。なるべく受領後すぐに飛び立とうと、ビザの取得前に航空券を買っていたのですが、ビザは翌日受取でした。僕は即日ビザを取れると思っていたので、航空券をキャンセルするはめになりました。
中国語は出来れば勉強しておいた方がベターですね。貯金に関してきっちり決めるよりは、とりあえず来てみたほうがチャンスはあると思います。ワーホリビザは現地就職の入口としても使えるので、やりたい職種等があれば事前に決めておいたほうが良いと思います。起業するにもリサーチとして使えますね。
--中国語に関しては、どうやって勉強するのが良いと思いますか?
やはり、学校に通うのが一番ですね。僕は、以前に大連の学校で学んだことがありますが、当然台湾で学ぶこともできます。授業料は3か月で10万円ぐらいですね。午前中みっちり勉強するコースのようです。あとは、来てみると自然と伸びるでしょうね。中国語は発音が難しいのですが、相手がいれば慣れていきます。
--台北に来て、良かったと思いますか?
台湾に来て、本当に来て良かったと思います。友人など恵まれている部分もありますが、台湾人の優しさが好きですね。たまに「親切の押し売り」かと感じてしまうほど、台湾人は良くしてくれます。日本人として受けた優しさは、台湾人に返していきたいなと思います。個人的には台湾人にもっと日本を知ってもらえるよう頑張りたいですね。
--今後台湾で働いてみたいと思う方へ、メッセージをお願いします。
まず、台湾は本当に住みやすい国だと思います。日本語も通じますし、仕事もあります。日本人というだけで、親切にしてもらえることもあります。ブログLastday.jpのまたよしれいさんの言葉ですが、「一歩踏み出す勇気」だと思います。
別にお金の問題でもないし、仕事の問題でもない。結局どんなにお金があっても、ビビっちゃう人はビビってしまうので。「行ってみればいいじゃん」と僕は言われましたが、それに尽きると思うんです。
▼おカネがないからやりたいことができないと言い訳してたのは、29歳のぼくだった
最後に、1個だけリンク挟んでほしいんですけど、それは台湾ワーホリ決めた時の話のリンク(上)です。みんな、おカネや時間で言い訳して、本当は勇気出せないことを隠してるだけなんで、ダサい行く前のぼくのことも知ってもらえたらと思います。
--ありがとうございました。
台湾でワーキングホリデーをする、まえちゃんのインタビューを終えて
台湾でのワーキングホリデーはカナダやオーストラリアと違い、まえちゃんに聞くまで知りませんでした。ワーホリビザが申請翌日に受領でき、申請料も無料。預金残高30万円さえあれば、ちょっとの勇気ですぐにワーホリ生活をはじめられそうです。
台湾へは東京から約3時間、沖縄からはわずか1.5時間。最近は格安航空券も多数あり、安い時は往復2万円前後で行くことも可能です。親日国としても有名で、日本語を話す方も僕が住むタイ以上に多数います。
なお、後日談ですが、今回のインタビューについて、まえちゃんが下記の記事にしてくれていたので、こちらも読んでみて下さい。
◎台湾で生きているだけで板野雅由さんにインタビューされました。みんな思い切って海外行けばいいのに
<まえちゃんブログ「あしたはもっと遠くへ行こう」の台湾関連記事>
▼月10万円くらい?台湾の台北生活でかかる生活費を1ヶ月の実生活から計算してみました
▼ついに台湾に引越完了!台北で住み始めたぼくの家をセキララに紹介します
▼台湾の食生活ってどんな感じ?台湾在住のぼくが1日で食べたものを紹介します
まえちゃんが話した「一歩踏み出す勇気」や「飛び込んでみること」に僕も100%共感します。行かない言い訳を並べる理由はありません。台湾については(グロビジ!)でも書いていますが、上にあるまえちゃん(@Maechan0502)のブログがかなり詳しいです。台湾へ行くなら、一読をオススメします!
台湾のワーキングホリデー・ビザの発給要件
一、発給要件
1. 申請時に日本在住の日本国民であること。
2. 過去に本国のワーキング・ホリデー査証の発給を受けていないこと。
3. 申請時の年齢が18歳以上30歳以下であること。
4. 休暇は台湾入国の目的で、ワーキング・ホリデーは付随するものに過ぎない。なお、査証有効期限満了前に出国すること。
5. 被扶養者を同伴しないこと。(被扶養者が同じ査証またはほかの査証を
取得した場合を除く)
6. 下記の必要資料を提出すること。二、必要書類
1. ワーキング・ホリデー査証専用申請書(申請者本人の署名が必要)
◎2012年4月から申請書はウェブサイトで作成することになりました。
専用ウェブサイト(http://visawebapp.boca.gov.tw)
2. 履歴及び台湾における活動の概要(所定フォームあり)。
3. 日本旅券(申請時残存期限15ヶ月以上)。
4. 申請日前6ヶ月以内に撮った4cm x 5cmのカラー写真2枚。
5. 一年以上の海外旅行保険の加入証明書(原本の提示後返却します)。
6. 帰国のための航空券または航空券を購入するための資金証明。
7. 20万円以上またはそれに該当する財力証明書。
(トラベラーズチェックまたは銀行の残高証明書など)
8. 査証料金:無料
【追記】 まえちゃんは現在、台湾南部の台南に移住し、ワーホリではなく専業ブロガーとして活躍中。台湾で活躍するTOPブロガーとなり、ブログで生計を立てています。
バンコクやクアラルンプール、ジャカルタなど東南アジアでの就業体験については、下記の記事を参照ください。
▼【インタビュー】バンコクの国際機関で働く大学院生に、タイのインターン生活について聞いてみた。
▼【インタビュー】マレーシアで働く20代女性に、クアラルンプールの勤務生活を聞いてみた。
▼【インタビュー】インドネシアで働く現地採用者に、ジャカルタ生活について聞いてみた。
<こちらの記事も合わせてどうぞ!>
▼(グロビジ!) 台湾記事まとめ
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