タイの土地家屋税(固定資産税)導入の動向、内閣通過から既に1年経過

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2016年に日本で言う固定資産税に相当する「土地家屋税」の修正法案が内閣を一度は通過したタイ。しかし、その後施行されたという報道は一切出ず、お蔵入りとなって1年近くが経過しています。

土地家屋税(Land & Houses Tax)の修正点は、個人名義の居住用不動産にも課税を開始するというもの。タイの英字新聞『バンコクポスト』の記事を元に、導入延期が続くタイの土地家屋税の最新ニュースを紹介します。

疑問視されるタイの土地家屋税の下限問題

1915年頃のバンコク・フアランポーン駅周辺

1900年代初頭のバンコク・フアランポーン駅周辺

5,000万バーツまでの資産と、1軒目の家屋に対する土地家屋税の免除に関する決定は、国会で同法案の第二読会を通過していない。その免税金額が高すぎるのではと疑問を呈する議員がいるのも原因だ。

「Wisudhi Srisuphan副財政首相率いるNLA委員会は、免税額が5,000万バーツまでの家屋である点も含め、議員らの意見を再検討するだろう」と、財政局の財務方針アドバイザーであるPornchai Thiraveja氏は述べる。

タイの土地家屋税導入目的と、予定税収・施行時期

土地家屋税は、所得格差縮小や納税者基盤の拡大、地方行政の税収増加、土地利用改善を目的としている。財務省は土地家屋税が地方行政区に対し、年間640億バーツの税収を生み出し、土地住宅税からの税収を280億バーツ上回ると推定している。新たな土地家屋税は2018に年施行される予定

一方で、5,000万バーツ以上の住宅の数は限られており、税収が全くない地方行政区も出るだろう、と住宅ビジネス協会のIssara Boonyoung名誉会長は繰り返し発言している。

最低課税額の5,000万バーツが高すぎるとの指摘

「2013年のある調査によると、5,000万バーツ以上の値がつけられた家屋はたったの11,000戸しかなかった」と、前述のPornchai氏は述べる。

「もし最低課税住宅価格が1,000万バーツまで下がれば、1,000万バーツかそれ以上の住宅は毎年着工予定で3,000戸あるため、行政は土地家屋税から多くの税収を得られるだろう」とIssara氏は述べる。同氏は、新税の導入前に政府が明らかにすべきことは山積みだと、締めくくった。

(出所: Bangkok Post “Land and buildings tax cap questioned” グロビジ!翻訳・要約)

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 タイの土地家屋税における予定税率(審議中)

  • 住居・農業・商業・未開発用地の4用途によって分類
  • 最高税率:住宅0.5%、農業0.2%、商業2%、未開発用地2%
  • 住宅用:5,000万THBまでは無税、超過分は累進課税(2件目以降の住宅は額に関わらず最低0.03%課税)
  • 2018年から施行予定(当初は2017年施行と報道されていた)
  • 3年ごとに税率引き上げを予定


画像出所:Bangkok Post

タイの土地家屋税の税率や控除額について

バンコク隣県の集合住宅(コンドミニアム)

東北部のタイ人が多く住む、バンコク隣県の集合コンドミニアム群

今回紹介したタイの土地家屋税ですが、内閣を通過したのが約1年前。それから、第二読会で審議という名目で施行が中断されています。今回の記事内にあった2018年施行というのも眉唾物ですね。

タイで土地家屋税(固定資産税)が内閣通過 (参考)

バンコク・シーロムの高層ビル群とマハナコン

金融の中心シーロムから見る、バンコクの高層ビル群

タイ不動産の現場で言うと、この土地家屋税が内閣を通過した2016年は税率が高いと報道される未開発用地(いわゆる更地)を売却しようとする動きがありました。しかし、施行が行き詰まっている今、都心の土地を焦って売ろうとする動きはなく、地価は上昇の一途。

権力者や富裕層が反対しているタイの土地家屋税が施行を迎えるには、困難を極めるでしょう。外国人投資家はあまり気にせず、竣工前の投げ売り物件や安値の中古物件を拾うスタンスで問題ありません。

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板野 雅由
バンコク在住、タイ不動産のラ・アトレアジア(タイランド)代表。2013年にバンコクへ移住し、不動産仲介会社設立。現在はバンコクにてコンドミニアム「168 Sukhumvit 36」を開発中、日本国内でタイ不動産セミナーも開催しています。 1981年岡山県倉敷市出身、在タイ5年目。