日本から現金持ち出しやタイへの現金・貴金属の持ち込み制限まとめ。

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日本からタイへ資産を移したいというお客様からご相談を受けました。「海外へ資産を移す」ことは、簡単ではありません。日本同様に外貨(通貨)の持込みや持出しに対し、大半の国が規制をかけています。

今日は、「日本からの現金持出し制限」や、「タイへの現金・貴金属の持込み」について税関への申告基準をご紹介します。

タイは外貨持ち込み無制限だが、現金の持ち出しには厳しい

税関での申告義務

タイの場合、外貨持ち込みについて、外国人観光客はタイ国内に外貨を自由に持ち込むことができます(2万米ドル相当を超える外貨持ち込みは税関での申告が必要です)。

一方で、タイ入国時の品物の持ち込みに関しては、タイの関税法によると、旅行者が1万バーツ以上の商品を持っている場合は関税の支払い(申告)が必要とあります。(出所:在タイ日本国大使館)

1万バーツ以上ということは、実質3万円以上の品物を持ち込む場合は申告が必要。iPhoneを所持するだけで申告ですし、有形無実化しているようですが、罰則もあるためご注意ください。※詳しくは在京タイ王国大使館経済財政部(03-5420-2275)へ

対キャピタルフライト課税

一方で、タイ出国の際は「外貨」と「バーツ」、通貨の違いで持ち出し額制限が変わるため、注意が必要です。特にタイバーツの持ち出しは厳しく制限されています。

出入国に関するFAQ (タイ国政府観光庁)

入国時に持ち込んだ「外貨」を再び自国に持ち帰ることができますが、外貨の持ち出し限度額は2万米ドル相当、または入国時に税関で申告した金額まで。違反した場合は、逮捕・超過額没収・提訴の対象となるため注意してください。

また、外国人観光客が「バーツ」をタイ国外へ持ち出す場合、タイ出国前に許可なく国外に持ち出せる額は、一人当たり最高5万バーツまで。近隣諸国のミャンマー、ラオス、カンボジア、マレーシア、ベトナムへ行く場合は、50万バーツまで持ち出し可能です。

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日本の現金持ち出し規制、100万円以上は通貨を問わず申告が必要

日本円 非居住者の税務

日本政府が日本出国時の現金の持ち出しに関して、「通貨を問わず、100万円超は申告必要」と定めてます。貴金属の代表「金」に関しては、金地金(純度90%以上)の重量が1kgを超える場合は申告が必要。

海外旅行者の皆様へ -通関案内- (財務省・税関)

タイへの持込みと日本の持出し規制を勘案すると、日本出国時の持出し制限が厳しく、無申告で持ち出せるのは1回100万円まで。ハンドキャリーで持ち出す話も良く聞きますが、100万円を超過するなら税関で申告必要です。

海外送金規制100万円まで2

2009年4月以降、100万円を超える国外送金をする場合は税務署へ「国外送金等調書」を提出する義務が生じました。例えば、海外の不動産を買うなど明確な目的がある場合は海外送金も容易ですが、使途不明の高額送金は困難になっています。

タイの不動産販売が本職ということもありますが、タイに資産を移すならば「不動産を買う」のも一つの選択肢。登記が完了すれば、非居住者には難しい銀行口座の開設もでき、インターネットバンキングも利用できるようになります。

世界各国の通貨の持込み・持出し制限 (JTB)

タイ以外の国への通貨持ち込み・持ち出し制限は上記のJTBのリンクが詳しいので、ご参照ください。

タイの銀行へ送金する際の着金手数料について

日本からタイの銀行へ送金し、資金をタイへ移すことも可能。送金元と送金先銀行の2カ所で手数料が取られます。バンコク銀行の銀行口座へ送金する場合の着金手数料は送金額の0.25%。ただし最低200バーツ、最高500バーツとなっています。

当然ながら送金元となる日本国内の銀行にて為替手数料や送金手数料が取られます。送金元銀行の手数料については、お使いの格銀行へお問い合わせください。

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バンコク在住、タイ不動産のラ・アトレアジア(タイランド)元代表。2013年にバンコクへ移住し、不動産仲介会社設立。バンコクのコンドミニアム「168 Sukhumvit 36」をJV開発後、退任し日本に帰国。現在はウクライナ・モンゴル・ラオスなどの不動産事業を手掛ける。岡山県倉敷市出身。

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