タイを変える「Pracha Rath計画」とは?タイ4.0と科学都市・スマートシティ計画

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タイ王国がシンガポール・マレーシア・タイ周辺国を含む、陸のASEANと呼ばれるエリアで主導権を握るべく、「タイ4.0」と呼ばれる課題を提示し、解決するための委員会を設置しました。

タイは将来的にどのように変化しようとしているのでしょうか?今日は『The Nation』から、科学都市・スマートシティ開発を含む計画を紹介します。

タイが陸のASEAN首長になるための4つの課題

陸のASEANにおけるタイの役割を強化するための4つの課題を、バンコク銀行の頭取であるChartsiri Sophonpanich氏が明らかにした。同氏は、投資誘致と国内インフラ開発を行う民間の「Pracha Rath運営委員会(以後、運営委員会と表記)」の会長を務め、同会で外国投資の呼び込みに努めている。

タイ4.0」と呼ばれ、国家を価値に基づく経済に向かわせるプロジェクトのもと、Chartsirii氏は政府と緊密に連携する実業界のリーダー12人の1人だ。

タイがASEANで発言権を強めるための、4つの課題(タイ4.0)は以下の通りと、Chartsiri氏は語った。

  1. 競争力の強化
  2. 官民のパートナーシップ(PPP)
  3. 所得格差の低減
  4. 投資の誘致

タイの競争力強化のため、科学都市を建設

第1の課題であるタイの競争力強化について、同会ではKan Trakulhoon氏指揮のもとについて運営委員会で協力し、革新的でと生産性を高める研究開発に力を入れるべく試験を繰り返している。

運営委員会が将来、先進工業国におけるホストの役割を果たすために「科学都市」の建設を強く望んでいることを、Chartsiri 氏は明らかにした。

科学都市が産業・経済の発展を促すと期待

科学都市は研究開発の拠点となり、産業を発展させ、バイオ経済の開発に必要となるものを提供する。これはPracha Rath 運営委員会の目標の一つで、高度成長する新しい革新的産業を後押しする。

民間部門は科学都市の建設費用に対する責任を負い、これらの施設が公共施設となるため工業団地に設置されるべきだと氏は語る。民間部門では自動車、エレクトロニクス、航空、ロボット工学、バイオテクノロジー分野における研究開発に興味を示している投資家を誘致するためネットワークを利用する。

国は特に投資家に対するワンストップ・サービスと、「早期科学都市」プログラムにおける民間部門を支援するためのインセンティブを設ける必要がある、と氏は述べた。

約5兆円規模のインフラ計画を公民連携(PPP)で開発

第2の課題について、民間部門はPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ:公民連携)が、インフラ投資に対する解決策であることに合意している。各個別の開発は大規模な予算を要し、政府は財政規律を保つ必要があるからだ。

タイ政府は、2015年~2019年にかけて1.58兆バーツの総予算におよぶ66のインフラ計画を発表した。Chartsiri氏によれば、民間部門は新しいPPPプラットフォームにおける4つの重要な領域について政府と協力して取り組むことにしているという。

Thailand Smart City タイ・スマートシティのイメージ

最後に、インフラ計画を取り巻く地域は「スマートシティ」として開発が行われるべきであるという。氏によればチョンブリー県のレムチャバンとアユタヤ県のチアンラックノーイが「スマートシティ」となる可能性があると言う。

低所得者向け住宅ローン融資、Baan Pracha Rath

samut prakan old house バンコク郊外にある木造住宅

第3の課題は、所得格差を減らすことだ。運営委員会ではBaan Pracha Rath(低所得者向け住宅整備)が、よい事例となると認識している。低所得者の負担を減少させ、社会的な格差を無くす目的に適合すると予測する。

「政府がBaan Pracha Rathの第2フェーズに着手することを願っています。低所得の人々は自分の家を持ちたいと考えており、このプログラムが約270万人々の役に立つからです」。タイ政府はBaan Pracha Rathのもと、借入する国民に対して十分な予算を配しておくべきです。また(このプログラムの)開発事業者は、税制上の優遇措置を受けるべきです」とChartsiri氏は言う。

投資誘致については、官公庁窓口を大口投資家に開放か

第4の課題では、外国人投資家が関係当局と直接会うことのできる機会を民間部門が調整する、と氏は述べた。

(出所:The Nation “Infrastructure steering committee identifies four priorities” グロビジ!翻訳・要約)

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ASEANで各国のイニシアチブ競争が激化

ASEANではアセアン経済共同体(AEC)が2015年12月に発足しました。タイも諸国の中でイニシアチブ(主導権)を取るべく、ASEAN域内でも最大となる交通機関や電力などインフラ整備に力を入れています。

タイ政府だけでなく、民間企業もCLMVと呼ばれるタイ周辺国を中心に進出を強化。カンボジアの首都プノンペンでは、タイ企業のCafe Amazonが進出し連日満席で大人気。タイ国内では中の下というイメージのブランドですが、驚くほどの客入りです。PIZZA CAMPANYなど多くのブランドを持つ、マイナーインターナショナル社も複数出店しています。

先日紹介した再生エネルギー(電力)の推進など、地球環境も考えた政策を推し進めるタイ政府。政治問題なども解決できれば、ASEANでもシンガポールと双璧をなす東南アジアの拠点になることでしょう。

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板野 雅由
バンコク在住、タイ不動産のラ・アトレアジア(タイランド)代表。2013年にバンコクへ移住し、不動産仲介会社設立。現在はバンコクにてコンドミニアム「168 Sukhumvit 36」を開発中、日本国内でタイ不動産セミナーも開催しています。 1981年岡山県倉敷市出身、在タイ4年目。