タイの高速鉄道・線路複線化など国内交通インフラ計画・最新版(2018年)

Pocket

タイ政府が発表した交通インフラ整備計画の中で、タイの高速鉄道および鉄道複線化に関する最新情報を紹介します。

「タイ国鉄の複線化」と「高速鉄道」の2本立てで紹介しますが、最初に2014年発表の「交通インフラ整備8か年計画」の骨子から見てみましょう。

タイ軍政府の交通インフラ計画・最新版

バンコク・バンスーの電車置き場

プラユット政権の「タイ国内の交通インフラ整備8か年計画」は2015年~2022年の間で実施される。前インラック政権が進めた計画との相違はごくわずかで、7か年計画から8か年に変更された。

交通省の常任書記、Ms.Soithip Trisuthは「軍政権は5つのターゲットを定めている」と話す。

  1. ローカル路線の拡大
  2. 公共交通機関の発達
  3. バンコク都心の渋滞解消
  4. 高速道路の利用客の増加
  5. 隣国、地方の製造拠点への接続
  6. 空路・水路の交通効率の改善

「タイはASEAN域内で、地政学的な優位性を有しています。隣国からの交通機関は必ずタイ国内を通らざるを得ません。物資も人も物流や交通面いずれもタイはハブになることができるのです」と同氏は付け加えた。
<出所: Bangkok Post (筆者要約・翻訳、文中の見出しは筆者による)>


上記の通り、タイ国鉄(ローカル路線)強化に加え、バンコク都心の交通機関・高速道路を強化し、都内の交通渋滞解消を図ります。バンコク都内を走るBTS・MRTの交通インフラ延伸計画など、インフラ整備はタイの国策ともいえる重要ポイントであり、タイ政府はASEAN域内での競争力強化を目指しています。

バンコク都内の都市交通に関しては、下記を参照ください。

タイ・バンコクの都市交通計画最新版!(BTS・MRT・エアポートリンク)

スポンサードリンク

タイ国鉄の複線化計画で、ASEAN域内での競争力向上に期待

タイの複線化、高速鉄道計画

急務は「鉄道の複線化」でしょう。タイ政府の計画によると5路線が複線化予定(各線詳細は上図参照)。鉄道工事が完成すれば、タイ国鉄は228便/日から800便に運行量が増大する見込み。

「複線化」について説明すると、タイ国鉄は単線部分が殆どで、4,043kmにわたり鉄道を敷設中。93%は単線であり、上りも下りも同じ線路を使っている(交差できない)状況。列車がすれ違う時には相手の通過を待つ必要があるため、時間効率が悪く、タイ国鉄は低所得者層や観光客以外にはあまり利用されません。

タイ国内の1km当たり輸送コスト

  • 鉄道:0.95バーツ
  • 陸送:2.12バーツ
  • 空路:10バーツ
  • 水路:0.65バーツ

(出所:バンコクポスト)

上記の通り、拡張しづらいチャオプラヤ川などを利用した水路以外の輸送コストは、鉄道輸送が最も効率的。複線化が完成すれば、貨物列車のスピードは現在の時速29kmから時速60kmとなり、急行列車も時速50kmから100kmとなる予定で、客車・貨物ともに利便性や効率が高まるでしょう。

タイの鉄道が複線化!日本からは100年遅れで複線化される路線がついに決定。

なお、複線化については、上の記事に詳しく記載しています。

 

タイの高速鉄道計画・予定路線図

high-speed-railway_in_thai

『高速鉄道開発』 出所:タイ財務省

  • バンコク~チェンマイ (北ルート) ※日本との共同開発
  • バンコク~ノーンカーイ/ウボンラチャタニー (東北ルート) ※中国との共同開発
  • バンコク~チャンタブリ/アランヤプラテート (北ルート)
  • バンコク~パダンベサール (南ルート)

タイ首相、バンコク―ナコンラチャシマ高速鉄道計画で起工式 (出所:B-SEARCH)

高速鉄道の工事は2017年、中国主導の東北ルートで最初の起工式が行われました。路線にもよりますが、運行スピードは時速160kmで運行予定との報道。

なお、日本が受注している「バンコク~チェンマイ線」は2019年に着工を予定しています。

スワンナプーム、ドンムアン、パタヤ・ウタパオ空港を結ぶ高速鉄道計画

タイ国有鉄道委員会は、ドンムアン空港、スワンナプーム国際空港、ウタパオ国際空港の3つの主要空港を高速道路で結ぶ、「高速鉄道プロジェクト」を承認した。このプロジェクトは東部経済回路EEC開発(中略)の最重要プロジェクトとされている陸海空インフラ整備のうちの一つで、2千億バーツの費用がかかると予想されている。 (出所:B-SEARCH)

「タイ自由ランド」紙によると3空港を結ぶ高速鉄道施設は2018年に入札を行い、運営会社を選出予定。完成後はパタヤウタパオ空港~バンコクまでを45分で結ぶ予定。予定駅は下記の通り。

  1. ドンムアン空港
  2. パヤタイ
  3. マッカサン
  4. スワンナプーム空港
  5. チャチュンサオ
  6. チョンブリ
  7. シラチャ
  8. パタヤ
  9. ウタパオ空港
  10. ラヨーン

報道によると、スワンナプーム空港とパヤタイ駅を結ぶ既存のエアポートリンクから、ドンムアン空港とパタヤのウタパオ空港経由で港湾都市ラヨーンに延伸。開業時期は2023年を予定しています。

バンコクおよびパタヤを結ぶ高速鉄道は、観光立国タイの主要空港を結ぶ重要プロジェクト。タイ政府もバンコク都、サムットプラカーン県、チョンブリ県、ラヨーン県を結ぶEEC開発に力を入れています。


 

今回紹介した鉄道計画は承認前のものも含まれますが、タイがASEAN随一の交通網を持つ国になる日が楽しみです!

※記事内で紹介した交通計画や開業時期等は予告なく変更される場合があります。本記事を参照した結果生じた、いかなる損害に関しても責任は負いかねますので、投資の判断は、自己責任でおこなうようお願い致します。

<こちらの記事も合わせてどうぞ!>

タイ・バンコクの都市交通計画最新版!(BTS・MRT・エアポートリンク)
バンコクの新路線MRTパープルライン、乗り方・路線図徹底ガイド
バンコク都市モノレール(BTS)、乗降客数が多い駅 TOP10はココ!


(グロビジ!)TOPへ
タイ不動産まとめへ

Pocket

The following two tabs change content below.
板野 雅由
バンコク在住、タイ不動産のラ・アトレアジア(タイランド)代表。2013年にバンコクへ移住し、不動産仲介会社設立。現在はバンコクにてコンドミニアム「168 Sukhumvit 36」を開発中、日本国内でタイ不動産セミナーも開催している。 1981年岡山県倉敷市出身、在タイ6年目。