タイの高速鉄道・線路複線化など国内交通インフラ計画・最新版(2016年2月)

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今日は、タイ政府が発表した高速鉄道および鉄道複線化など交通インフラ整備計画の最新版を紹介します。

「タイ国鉄の複線化」と「高速鉄道」の2本立てで紹介しますが、最初に、2014年に発表された「交通インフラ整備8か年計画」の骨子から見てみましょう。

タイ軍政府の交通インフラ計画・最新版

バンコク・バンスーの電車置き場

プラユット政権の「タイ国内の交通インフラ整備8か年計画」は2015年~2022年の間で実施される。前インラック政権が進めた計画との相違はごくわずかで、7か年計画から8か年に変更された。

交通省の常任書記、Ms.Soithip Trisuthは「軍政権は5つのターゲットを定めている」と話す。

  1. ローカル路線の拡大
  2. 公共交通機関の発達
  3. バンコク都心の渋滞解消
  4. 高速道路の利用客の増加
  5. 隣国、地方の製造拠点への接続
  6. 空路・水路の交通効率の改善

「タイはASEAN域内で、地政学的な優位性を有しています。隣国からの交通機関は必ずタイ国内を通らざるを得ません。物資も人も物流や交通面いずれもタイはハブになることができるのです」と同氏は付け加えた。
<出所: Bangkok Post (筆者要約・翻訳、文中の見出しは筆者による)>

上記の通り、タイ国鉄(ローカル路線)の強化に加え、バンコク都心の交通機関・高速道路を強化し、都内の交通渋滞解消を図ります。バンコク都内を走るBTS・MRTの交通インフラ延伸計画はご存知の方も多いことでしょう。インフラ整備はタイの国策ともいえる重要ポイントであり、ASEAN域内での競争力強化を目指していることが分かります。

タイ・バンコクの都市交通計画最新版!(BTS・MRT・エアポートリンク)

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タイ国鉄の複線化計画で、ASEAN域内での競争力向上に期待

タイの複線化、高速鉄道計画

急務とも言えるのが、「鉄道の複線化」でしょう。プラユット政権の計画によると5つの路線が複線化される予定(各線の詳細は上図にて)。鉄道工事が完成すれば、タイ国鉄は228便/日から800便に運行量が増大すると見込んでいます。

「複線化」とは、耳慣れない言葉ですが、タイ国鉄は単線部分が殆どで、4,043kmにわたり鉄道を敷設しているが、93%は単線となっています。上りも下りも同じ線路を使っている(交差できない)という状況。列車がすれ違う時には、相手の通過を待つ必要があります。そのため、時間効率が悪く、タイ国鉄は低所得者層や観光客以外にはあまり利用されていません。

タイ国内の1km当たり輸送コスト

  • 鉄道:0.95バーツ
  • 陸送:2.12バーツ
  • 空路:10バーツ
  • 水路:0.65バーツ

(出所:バンコクポスト)

上記の通り、拡張しづらいチャオプラヤ川などを利用した水路以外の輸送コストは、鉄道輸送が最も効率的。複線化が完成すれば、貨物列車のスピードは現在の時速29kmから時速60kmとなり、急行列車も時速50kmから100kmとなる予定で、客車・貨物ともに利便性や効率が高まるでしょう。

タイの高速鉄道計画・予定路線図

high-speed-railway_in_thai

『高速鉄道開発』 出所:タイ財務省

  • バンコク~チェンマイ (北ルート) ※日本との共同開発
  • バンコク~ノーンカーイ/ウボンラチャタニー (東北ルート) ※中国との共同開発
  • バンコク~チャンタブリ/アランヤプラテート (北ルート)
  • バンコク~パダンベサール (南ルート)

高速鉄道の工事は2021年前後から徐々に開通する見通しで、スピードは時速160kmで運行予定と言われています。正直、延期しそうな感じもしますが、せめて日本が受注している「バンコク~チェンマイ線」くらいは予定通り開通してほしいもの。まだ、承認前の計画も含まれますが、タイがASEAN随一の交通網を持つ国になる日が楽しみです!

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板野 雅由
バンコク在住、タイ不動産のラ・アトレアジア(タイランド)代表。2013年にバンコクへ移住し、不動産仲介会社設立。現在はバンコクにてコンドミニアム「168 Sukhumvit 36」を開発中、日本国内でタイ不動産セミナーも開催しています。 1981年岡山県倉敷市出身、在タイ4年目。