パタヤ不動産の需要と供給、価格について

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パタヤのコンドミニアムに特化した興味深いレポートが『Bangkok Post』に掲載されていました。

内容はパタヤ・コンドミニアム市場の供給と需要、価格について。同紙の記事より紹介します。早速いってみましょう。

パタヤのコンドミニアム市場は停滞を観測

パタヤ市のコンドミニアム市場は過去数年旺盛に成長しており、2015-16年に7,200戸以上が完成し土地局に登録された。2016年末には73,660戸が完成し登記されている。

一方で、ディベロッパーはパタヤ全域で発売したコンドミニアムの供給が吸収されるのを待つ。ロシア人バイヤーは戻っているものの、ルーブル安が影響を残しているからだ。

パタヤビーチ近くの土地が不足し、多くのディベロッパーが新プロジェクトのためビーチから離れた土地を探している。

※記事末にパタヤの各地区を紹介した資料を載せています。土地勘のない方は、先に各エリアの概説を参照ください。

1.パタヤ不動産の供給について

ジョムティエン(Jomtien)は長年にわたってマンション開発の最も最先端エリアであった。その結果、調査対象の5地域の中で完成ユニットの供給量が最も多い。パタヤビーチは第2位だがビーチ近くの土地が不足しており、多くのディベロッパーが新プロジェクトのためビーチから離れた土地を探している。

ディベロッパーは市場の減速を見て、多くの未販売住戸があるため、2016年内の新発売を延期または削減した。2016年上半期には307戸しか発売されず、下半期は累計で約1,800戸に改善されたものの過去6年間で最も静かだった。

ロシアルーブル通貨安がパタヤ不動産の販売に影響

国内経済の低迷やその他マイナス要因は、外国人やタイのコンドミニアム購入者の間にも影響した。ロシアルーブルの弱体化はパタヤで特に注目されている。

パタヤはロシア人観光客に人気を博し、その一部はコンドミニアム購入に関心を示している。タイへのロシア観光客の到着は、2015年の884,136人から2016年は100万人をわずかに上回ったものの、投資資産への関心は未だに高まっていない。

さらに2011年から2015年にかけて毎年平均15,000件ほど供給された膨大な住戸は、結果として未販売住戸がまだ市場に残る。結果として、ディベロッパーは2016年に非常に慎重になったわけだ。

フラグラントプロパティの”Sixth Element Na Jomtien”は2016年11月に売上低調を理由に保留となった。写真:Fragrant Property Co

ジョムティエン(Jomtien)ナ・ジョムティエン(Na Jomtien)は、過去数年間に魅力的な土地が利用可能であったため、ディベロッパーにとって有望な場所であった。ジョムティエンは低価格開発が見られる一方、ナ・ジョムティエンはビーチフロントの土地が残っている数少ない場所の1つだ。

2.パタヤ不動産の需要について

2016年末のパタヤマンション市場の販売率は83%だった。2016年の販売住戸の多くは、同年4月まで続いた政府の税金低減政策の下で購入されたものだ。まだ約1万戸が市場に残っている。

ウォンアマット(Wong Amat)地区は発売されたプロジェクト数が比較的少なく、残戸数が最も少なかった。完成したプロジェクトの中には、ビーチフロントの立地のため購入者から引き続き高い関心を集めているものもある。

ジョムティエン(Jomtien)は多くの発売ユニット数にも関わらず、高い販売率を示している。ナ・ジョムティエン(Na Jomtien)は900戸以上の大型プロジェクトなど、コンドミニアム販売数が多さが影響し最低販売率となった。

需要はまだ回復しておらず、全ディベロッパーは完成済みユニットの販売に現在注力している。多くの中国人や一部の日本バイヤーがパタヤに興味を持っているが、長年にわたり最大の外国人購入者であったロシア人バイヤーの急激な減少を相殺することができていない。

3.パタヤ不動産の価格について

パタヤのコンドミニアム平均価格は平米あたり約82,500バーツで、2015年から約5%増加した。市場減速の中で可能な限り多くの購入者を引き付けるべく、ディベロッパーは価格上昇を可能な限り抑える努力をし、3〜5%の上昇率となっている。

ウォンアマット(Wong Amat)プラトゥムナク(Pratumnak)地区が最高価格を示した。ウォンアマット・ビーチフロントコンドミニアムの数棟は平米あたり130,000バーツを超える。プラトゥムナクの平均価格も大幅に上昇した。同地域で開始された新プロジェクトの開始価格は平米100,000バーツを超えた。

2017年のパタヤ全域の平均価格は、2016年と同じか若干上昇と予想される。多くのプロジェクトが竣工したものの、市場の需要が旺盛とは呼べないためだ。

(出所: Bangkok Post “Pattaya condo market hits the pause button” グロビジ!翻訳・要約)


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パタヤ各地区のコンドミニアム平米価格

いかがでしたか?各ディベロッパーともに未販売住戸を抱えているという記事でした。パタヤ不動産について個人的な意見を述べるとすれば、3つに絞られます。

  1. 購入してよいプロジェクトは限られている。一方で、購入してはいけないプロジェクトも多い。
  2. 投資用で買う場合は空室リスクを必要以上に想定しておく。(自己居住や借主のあてがあり長期保有できる方が理想的)
  3. 高速鉄道やカジノ建設など将来的なインフラ計画はあてにしない

記事内にもありますが、2016年末竣工の物件で登記前の投げ売りがあるのも今のパタヤ不動産市場。上記3点を留意し、こうした投げ売り物件を狙って格安で取得できれば面白いかもしれません。

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バンコク在住、タイ不動産のラ・アトレアジア(タイランド)元代表。2013年にバンコクへ移住し、不動産仲介会社設立。バンコクのコンドミニアム「168 Sukhumvit 36」をJV開発後、退任し日本に帰国。現在はウクライナ・モンゴル・ラオスなどの不動産事業を手掛ける。岡山県倉敷市出身。

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