タイの中古コンドミニアムの可能性を探る!新築と中古物件の価格差が広がる理由とは?

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バンコク中心の新築不動産販売価格は、直近2年で3割近く上昇しました。当然物件にもよりますが、都心一等地は地価の高騰が続き、建築コストも上昇しています。

世界大手の不動産仲介会社CBREのタイ法人が、バンコク都内の中古物件に関する興味深いレポートを出しています。長文ですが、今日は『バンコクの高経年コンドミニアムの価格は上昇するか』を紹介します。

バンコクの高経年コンドミニアムの価格は上昇するか

2015年5月12日

高経年コンドミニアムの価格は新築と比べてと同様の価格上昇は見られず、場合によっては全く価格の変化は見られない、とCRBEが特別レポート『バンコクの高経年コンドミニアムの価格は上昇するか』で発表した。

多くの先進諸国の欧米市場では、不動産は場所により平米ごとに価値を査定することができる。しかし、バンコクではこれが通用しない。バンコクのどの地域においても、購入者は新築の不動産と、中古不動産の平米あたりの売値に大きく差があることに気づくだろう。

コンドミニアム市場でバンコク内でも人気地域である「スクンビット通り・ソイ24」は、価格差が見て取れるよい例だ。

「1981年に竣工したGrand Ville House Iはこの通りの最も古いコンドミニアムで、現在の中古の売却希望価格は平米あたり60,000バーツ。1994年竣工のThe President Park(戸数351)が一棟の戸数が最も多い開発案件で、4棟の中古の売却希望価格は平米あたり60,000バーツとなっている。

この通りでの最新プロジェクトは2013年の第四四半期に開発がはじまったPark 24で、ディベロッパーによる平均販売希望価格は平米あたり210,000バーツだ。」と、CBRE Thailandの住宅販売部門ディレクター、Pornpimol Phuengkhuankhan氏は述べる。

1989年以降、1997年のアジア金融危機までバンコクの中心街に完成したコンドミニアムの戸数は29,000を上回る。これらの建物の多くはその配置と仕様の両面においてあまり良い設計がなされておらず、建物を修繕することは難しい課題だ。

コンドミニアムの共同所有者による改修等の意思決定は、多くの共同所有者のグループ間で争われる例も多く、大変な困難をともなう。

2002年からの第2次コンドミニアムブームの物件ははより高く取引されている。同氏によれば、2008年に竣工したウィッタユ通りのAthenee Residenceや、2007年竣工のチットロム通りにあるThe Park Chidlomは2004年の初期価格平均である、平米100,000バーツの倍となる200,000バーツを超えた例が多い。

上記の価格は同じ場所で着手される、似た仕様・同規模のプロジェクトが完成する価格帯に比べ、まだ低い。例えば2015年第一四半期に着工したNimit Langsuanの当初の希望販売価格は平米あたりTHB 300,000であった。

1997年以前に完成した低価格帯のプロジェクトは設計や仕様、保守管理が劣ることも安い理由にあげられるかもしれない。一方、2002年以降に竣工したプロジェクトの物件価格が新規案件に比べ伸び悩むのは、単に年数が古いからである。購入者、特にタイの人々は新しい建物を好む傾向がある。

市街地の中心地に土地を確保できるか、再開発し販売する可能性があるか、海外からの駐在員用賃貸市場などを含め、コンドミニアムの価格に影響を及ぼす要因はいくつかある。竣工済み中古住居の価格を、賃料の上昇が押し上げる可能性があるのだ。

タイのCBRE研究所所長(Executive Director)であるJames Pitchon氏によれば、人気のあるコンドミニアムが建つ地域における敷地開発はさらに規制が進み、結果的にこうした地域で新規供給できる物件数が少なくなってきている。

これは市の中心部に建つ中古物件にとって、供給量が限られてくることから新規物件との競争が無くなり、価格上昇する可能性が高くなるため朗報と言えるだろう。

第二に、土地価格と建設費のバランスが崩れつつあることがあげられる。バンコク中心部において、販売可能平米数を基準とした総開発費における土地価格の割合は、いまや建設コストの要素を上回っている。土地価格に対する総開発費が占める割合が25%から60%に増加したケースも見受けられる。

CBREは土地価格が上昇することに期待を寄せる。従って、将来的に既存の建物を取り壊したのち、再開発した土地が販売された場合、物件によってはその価値が上昇する可能性も高い。

しかしながら、タイ国コンドミニアム法(Thai Condominium Act)では、コンドミニアムの解体には共同所有者が100%これに賛成しなくてはならない。つまり古い建物の物件を投機目的で購入したのちに100%の合意が集まり、開発者に売渡されるという期待し購入する購入者がいるとは考えにくい。

完成したコンドミニアムの再販価格に影響を与えるもう一つの要因が、海外からの駐在員の賃貸市場だ。現在テナントにとって魅力的にうつる高経年のコンドミニアムは数えるほどしかない。主な原因として、建物の全体的なイメージと、部屋の内装の装飾が良くないことがあげられる。

賃貸料と再販価格を押し上げる潜在力を維持するには、高経年コンドミニアムの所有者は所有している部屋の内装修繕が必要だ。さらに、共同所有者が共用部分の修繕に対する予算を使うことに合意し、建物管理を充分に行い、よい状態に保たれていることが条件となる。

CBREは古い建物と新しい建物の価格差が広まるにつれ、古い建物の人気が高まると見込んでいる。一方で、タイ人購入者の古い建物への嫌悪感を取り除くには、価格の低さだけでなく充分な修繕されていることが条件だ。これらをクリアした、限られた物件のみが魅力ある投資対象と言えるだろう。

(出所:CBRE Thailand グロビジ!翻訳)

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タイ不動産の中古マーケットについて

LIFE65エカマイ

エカマイ地区の高層コンドミニアム Life 65

上記のレポートにあった通り、既にバンコクの新築物件と中古物件の価格差は乖離がはじまりつつあります。特にASHTON ASOKEやNOBLE RECOLEなどスクンビット周辺の駅前新発売物件は、軒並み平米20万バーツ(約72万円)を超えるのは当たり前になっています。

Life 65 330万バーツ 31.5平米 エカマイ・プラカノン駅近 <ラ・アトレアジア(タイランド)>
VINN SUKHUMVIT46 330万バーツ 36平米 プラカノン駅300m <ラ・アトレアジア(タイランド)>

一方、私の会社に最近転売依頼のあったエカマイ・プラカノン地区(スクンビットから電車で8分程度)、駅前中古物件(2009年~2011年築 ※上記)は、平米9万~11万バーツと平米あたり単価もほぼ半額。日本人居住者も増加しているエリアで、こうした1,000万円強の不動産物件を選ぶのも良い選択肢でしょう。

タイ不動産は本職ですから、常々バンコクの日系不動産業者と情報交換をしますが、完成目前もしくは中古コンドミニアムに一層力を入れる業者が増えています。

タイ不動産ならラ・アトレアジア(タイランド)

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バンコク在住、タイ不動産のラ・アトレアジア(タイランド)元代表。2013年にバンコクへ移住し、不動産仲介会社設立。バンコクのコンドミニアム「168 Sukhumvit 36」をJV開発後、退任し日本に帰国。現在はウクライナ・モンゴル・ラオスなどの不動産事業を手掛ける。岡山県倉敷市出身。

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