
珠江デルタの不動産を見てきました。前記事で書きましたが、東京を超え人口世界一の都市圏となったエリア。
バンコクでご縁のあった現地在住のMさんに深セン、東莞、中山、恵州の不動産を案内してもらったので、今日は珠江デルタの不動産について紹介します。
※各物件ともに2016年2月末~3月初旬に調査した価格です。不動産はディベロッパーの格、立地、階、物件の仕様など様々な要因によって価格が変動します。あくまで各エリアの一例としてお読みください。
珠江デルタ不動産 深セン、中山、東莞、恵州のマンション比較
広東省中山市の不動産
中山の不動産視察。売値は販売初期で平米4,500元(2.25万バーツ)。今は平米1.5万元(7.5万バーツ)。全て内装無しのスケルトン渡し。価格は上がってますが、セカンダリマーケットがどうなっているかが鍵かと。香港上場のディベロッパーがニュータウンを開発中。 pic.twitter.com/GaxgErBs62
— 板野 雅由 @ Ukraine (@dexter4620) 2017年2月27日
最初に見た不動産は広東省中山市やや郊外。上の物件が建つ地区は、前回記事内の「深中通道」と呼ばれる深センへの直通道路が将来開通する予定。通勤時間は現在の1.5時間→30分に。一気に深センへの通勤圏となります。
物件価格も販売当初の平米4,500元(2.25万バーツ)→1.5万元(7.5万バーツ)へ。価格は3倍へと上昇していました。一部竣工済みで徐々に居住者も増加中。今後、商業施設や学校などのインフラが整えばさらに価格は上昇するのかもしれません。
2軒目はショッピングモールを中国各地で開発している益華の商業施設付きマンション。価格は800万円前後からで最低6%からの10年賃料保証付。建設予定のライトレール駅からも近い。 pic.twitter.com/ybSfS4bgvz
— 板野 雅由 @ Ukraine (@dexter4620) 2017年2月27日
中山市では珠江デルタの他地域と同様に交通インフラが整備され、将来的にライトレールが導入される計画もあります。ライトレール駅近くの物件は約800万円で、長期の賃料保証が付いていました。
バンコク不動産と比較すると、長期家賃保証が付いている物件が多いですね。土地は借地権ですが、土地は買えない中国のスタンダードなので購入者も地権など気にせずに購入をしていました。
中山市のインターナショナルスクール
先に紹介した2物件はやや繁華街から離れますが、市中心にはスターバックスやユニクロ、ZARAなど有名店が並んでいます。郊外には富裕層の子弟向けインターナショナルスクールも。先生が流暢な英語で案内してくれました。
中山市のインターナショナル幼稚園を視察。月の学費は6,000元(9.8万円)。生徒数は100名ちょっと。レストランのスタッフの月給が2,800元程度なので、完全に富裕層向け。レゴルームなど、デザイン性の高い空間で2歳半から英語・広東語・北京語での保育をスタートさせる。 pic.twitter.com/Yd8yQaIlvc
— 板野 雅由 @ Ukraine (@dexter4620) 2017年2月27日
今回視察した珠江デルタの不動産物件は1プロジェクトで1,000戸以上という物件も多く、ディベロッパーは学校や商業施設などニュータウンを計画し販売しています。発売戸数も多く、良いプロジェクトを選ばなければ大変なことになることでしょう。
リターンも大きそうですが、リスクもかなり高いように感じました。
深セン都心から電車で30分の中古リノベーション物件
今朝は深センの不動産視察から。市中心を離れた住宅街、築6年の中古リノベ物件。定期借地権64残。平米4.5万元(約25万バーツ)〜とアソークの新築並み価格。18平米台のDuplexも。写真は24平米Duplexの棟内モデルルーム pic.twitter.com/G6nque4SHN
— 板野 雅由 @ Ukraine (@dexter4620) 2017年2月28日
翌日は深セン都心から電車で30分の物件を視察。借地権70年の内64年が残る中古リノベーション物件です。平米4.5万元でバンコクならアソーク駅前の新築コンドミニアムと同等の価格。
間取りも最も狭いものは18㎡でメゾネットタイプもありました。つまり9㎡+9㎡の2階建てのお部屋です。このタイプでも価格は1,500万円近く。販売平米単価が上昇し、居住用に実需層が買える物件が狭小物件になってしまっているのでしょう。天井高も低く、精神的に苦痛を受けそうな感じもしました。
当然ながら、深セン都心は更に高く、平米25万元(約125万バーツ)という物件も。バンコクの約5倍という価格に達します。
珠江デルタ圏の中国人の不動産投資熱は高い
珠江デルタを見学後、深センで2年前に通った語学学校や現地旧友と話す機会がありました。訪れたのは南山区。深セン市でもハイテクの中心と呼ばれる場所です。
広東省を回り不動産を見た事を話すと、「●●市の不動産価格はどのくらい?」と皆聞いてきます。そして全員が「2年前に友人が買った中山市の物件の平米単価は6,000元だった」とか、「4年前に買った宝安区の2008年築の物件は平米2.5万元で、現在は6万元になった」と平米単価まで把握しています。
語学学校の先生や20代前半の友人であっても同様でした。中国には「不動産を持つものこそ、資産を持つ者だ」という「有土有産」という言い回しがあります。不動産投資熱は日本人を遥かに上回るものがあります。
深セン、中山、東莞、恵州の不動産価格一例 (2017年2月末)
- 中山市郊外の高層ニュータウン物件 平米4,500元→1.5万元(7.5万バーツ)
- 中山市中心から少し外れる10年賃料保証付物件 平米1.5万元(7.5万バーツ)
- 深センの中古リノベ低層階物件 平米4.5万元(約25万バーツ)
- 深センの都心ど真ん中超高級物件 平米25万元(約125万バーツ)
- 東莞の高層物件 平米1.5万元(約7.5万バーツ)
- 惠州南站近くの物件 平米1.6万元(約8万バーツ)
東莞の不動産視察。この辺りだと平米1.5万元(約7.5万バーツ)。空室リスクはあるものの、深センに比べて実需なら部屋の広さ的に良い生活が出来そう。少なくとも普通の日本人投資家向けのエリアではなさそう。 pic.twitter.com/Dhq4YFzVs7
— 板野 雅由 @ Bangkok (@dexter4620) 2017年2月28日
惠州南站近くの物件。平米価格は1.6万元(約8万バーツ)。これは一番外れで買ってはいけない物件。今日見た深セン、東莞、惠州の物件では東莞が一番バランスが良かったなと。深センも中心部の物件を見れれば印象が違ったのかもと思う。 pic.twitter.com/rrm7zB101i
— 板野 雅由 @ Bangkok (@dexter4620) 2017年2月28日
珠江デルタの不動産を見て感じたこと
- 新築不動産の販売価格は珠江デルタ全域で急騰している
- 深セン中心部とバンコク中心部の新築価格は約3~5倍
- 深セン中心部を除きセカンドマーケット(中古市場)が手薄に感じる
- 銀行融資は日本並みに寛容、タイの方がよっぽど借りづらい
珠江デルタの不動産を見ましたが、やはりハイリスクハイリターン。外国人にはハードルが高く、一方で融資が受けやすく現地中国人は参入しやすいのが現状です。(M氏からの情報によると、中山氏は融資規制が敷かれる見込み)
深セン中心部のような土地が無い場所なら良いですが、それ以外は開発用地がいくらもあり新築プロジェクトが地域によってはタケノコのように出てきます。当然セカンドマーケット(中古市場)が生まれにくく、安く仕込んだとしても売り抜けるexit(出口)の問題もあるでしょう。
海外不動産は続く首都への投資が基本です。人口流入もあれば、土地が減るにつれ良い立地の物件は希少価値が出る。「深センの1/5、バンコク都心不動産が平米25万バーツならまだ割安」と感じた、珠江デルタ視察でした。
※本記事は投資を勧誘するものではありません。投資の判断は、自己責任でおこなってください。
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