シラチャ不動産に対する見立て。「利回り10%」はいつまで通用するか?

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「シラチャ不動産」が注目されています。販売する日系不動産業者の中には「利回り10%」をうたって販売をしている会社もありますが、果たして高利回りは実現するのでしょうか?

ある日系の不動産仲介業者さんと情報交換をしている最中に挙がった話題です。セミナー等では良く聞かれる話題ですが、(グロビジ!)では紹介していませんでしたので、やり取りしたメッセージを元にシラチャ不動産に対する見立てを紹介させていただきます。

※実際にやり取りしたメッセ―ジの内容を元に、リンクを含め加筆修正しております。一部、読みづらい点がありますことをご了承ください。

世界屈指の日本人町・シラチャの概要と特徴

バンコクからシラチャ

バンコクからシラチャは車で約1.5時間

シラチャのあるチョンブリ県は、製造業関連の工業団地が集まる地域です。ビーチリゾート・パタヤやタイ最大の港レムチャバン港があるのもチョンブリ県。郊外には、軍民共用のウタパオ空港があります。最近エアアジアがウタパオに就航し、定期便の運航が開始されました。

パタヤの玄関口ウタパオ空港 エアアジアがKL直行便開設 (Newsclip.be)

ロビンソン百貨店

シラチャ中心部にあるロビンソン百貨店

シラチャの特徴ですが、日本人町であるという点につきます。在住邦人は約5,000名と言われています。周辺にある工業団地で働く日本人のために、半径2km程度の小さな街ながら日系飲食店や飲み屋などが街中に集中しています。街の中心にあるロビンソン百貨店や郊外のJ-PARKというショッピングセンターの他、銭湯などもあります。

シラチャの日本人学校

シラチャの日本人学校

このように元々日本人の多い場所ですが、2009年にできたタイで2番目となる日本人学校が重要です。バンコクの日本人学校は満員に近く、バンコク郊外で働く家庭の場合、シラチャ校への通学を要求されるようになっています。そのため、利回り10%超などという供給不足によるマンションの賃料高騰が起こりました。

シラチャにあるサービスアパートメントの一室

シラチャにあるサービスアパートメントの一室

ただし、2014年からコンドミニアムやサービスアパートメントの開発が続いており、現在建設中の物件が一通り出そろう2016年~17年頃からは、利回り低下・空室リスクの問題が出てくるかと考えています。

個人的には数年単位の投資なら良いですが、5年・10年の投資とするなら出口戦略をしっかり立てて投資しないとシラチャ不動産は危ないように感じます(まぁ、どこの不動産もそうですが・・)シラチャの外国人の95%以上は恐らく日本人であることにも注意が必要です。

パタヤ・シラチャ方面への高速鉄道計画・鉄道複線化について

南北・東西経済回廊によるタイの優位性

写真右下、バンコク~レムチャバンへの高速鉄道延伸は予定と一部で報道されている

最後に、サイト内に記載のある高速鉄道は確定ではないはずです。(※某サイトを見ながらのやり取りでした) 将来的にシラチャ近郊のレムチャバン(タイ最大の港がある海運の要所)へは駅が出来る可能性がありますが、シラチャに高速鉄道駅というのは現実的でない気がします。

交通インフラ系の話題は僕もブログを書いてますし、仕事柄追っていますがまだ出てきてないはずです。出所も書かれてませんし、これはソースを聞いても出てこないと思います。(高速鉄道がパタヤまで伸びる話は2012年頃にあった話題で、最近はとんと聞きません)

発表、日本がタイの鉄道3プロジェクト参画にほぼ合意。パタヤへの高速鉄道はどうなる?

一方、日本がバンコク・チェンマイ間の高速鉄道に協力合意の報道はあります。一方、線路の複線化をパタヤの先にある工業都市ラヨーンまで行うという話も出ています。

と、概要はこんな感じでしょうか?日本語学校とシラチャの街並みについては、昔記事にしてますのでシェアさせて下さい。<原文オワリ>

在アジアの不動産業者同士でシラチャ不動産対談をしてみた感想

バンコクのコンドミニアム探し

扱う国は違えど、アジアで日本人向けに不動産を紹介している業者同士のやり取りです。良い立地の物件が出て来れば改めてシラチャ不動産をご紹介する可能性はありますが、シラチャの物件なら何でも埋まるという環境は恐らく数年以内に終わると私は予測しています。

特に今年あたりから新築の物件が完成ラッシュに入ります。物件の立地が極めて重要になりますので、シラチャ不動産へ投資する際はその辺りも十分配慮してください。

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<こちらの記事も合わせてどうぞ!>

タイ・シラチャの街並みと、サービスアパートメント事情。
タイの鉄道が複線化!日本からは100年遅れで複線化される路線がついに決定。
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バンコク在住、タイ不動産のラ・アトレアジア(タイランド)元代表。2013年にバンコクへ移住し、不動産仲介会社設立。バンコクのコンドミニアム「168 Sukhumvit 36」をJV開発後、退任し日本に帰国。現在はウクライナ・モンゴル・ラオスなどの不動産事業を手掛ける。岡山県倉敷市出身。

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