バンコク新路線パープルラインが一般客を乗せ無料試験運行を開始

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2016年6月13日、バンコクと北郊のノンタブリー県を結ぶ新路線パープルラインが、一般向けの無料試験運行(7月22日まで)を開始しました。

同年8月6日の正式運行開始を目前に控え注目が高まるパープルラインですが、インフラ整備の遅れで重大な課題も残っています。『バンコクポスト』の記事を交えて、紹介します。

パープルライン通勤者、ブルーラインへ乗り換えられない憂鬱

バンコクの北に位置するノンタブリー県、人口は117.4万人(2014年 出所:wikipedia)

数か月内にノンタブリー県の人々はバンコクへ電車で行けるようになる。残念なのは、パープルラインがアソーク・シーロムなど都心部に向かう地下鉄ブルーライン始点まで約1kmが未開通である点だ。

路線はパープルラインのタオプーン駅と地下鉄バンスー駅の間に空白地帯があり、なぜ初めからパープルラインとブルーライン両線間で接続がないのか疑問の声があがっている。

Purple line Bangkok

バンコクのパープルラインとブルーライン間は約1kmが未開通で乗り継ぎができない

計画の全面的な見直しの結果発生した、高評価を受けるバンコク鉄道輸送システムの欠陥

2016年8月6日に開業が予定されるパープルラインはノンタブリー県のバンヤイ地区からバンコクのタオプーン駅まで総距離23キロ16駅となる。

乗り継ぎできない空白地帯の問題に関し、タイ政府はパープルラインのタオプーン駅から地下鉄ブルーラインのバンスー駅間でシャトルバスを運行し乗客を運ぶ公約を発表した。パープルライン開業1年目は毎日12万人の通勤客、最終的に40万人まで増加を見込む。

政治的影響力が、乗り換え不可となる1kmの原因とのうわさも

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(写真)パープルラインと地下鉄ブルーラインは赤い部分が非連結の空白地帯となっている

タイ高速度交通公社(MRTA)副総裁のPakapong Sirikantaramas氏は、「バンヤイ駅-タオプーン駅間は当初、バンコク市内を環状で走るブルーラインの延伸部分として計画されていた」と述べる。

しかし、バンヤイ駅-タオプーン駅は2004年タクシン政権のもとブルーラインから切り離され、パープルラインとなることが決定された。「当時の政権はパープルラインによりバンコク郊外の沿線地域に経済発展をもたらしたかったのだ」と、氏は語る。

パープルラインとブルーラインは別々に開発が進められた

分断はバンスー駅-タオプーン駅間の欠落分である地下鉄バンスー駅-タープラ駅間の建設がまだ進行中であるために起こった。将来的にはパープルラインと地下鉄ブルーラインはタオプーン駅で接続される。

開発運営を手掛けるMRTAは、長年タオプーン駅-バンスー駅間の非連結路線の解決を図ってきた。Pakapong氏によれば2つの選択肢が浮上していると言う。氏によれば決定は官民パートナーシップ(PPP)委員会に委ねられる。MRTA理事長のGen Yodyuth氏によれば委員会は2か月以内に回答を出す予定だ。

(出所:The Bangkok Post “Purple Line commuters to get the blues” グロビジ!翻訳・要約)

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パープルラインは今後バンコク南部まで延伸の計画

Purple line Bangkok-3

東芝などによる日本製車両が走ることから日本国内でも注目されているパープルライン。日本経済新聞がいち早く、「実施日ごとに午前7時から同9時まで、午後4時から同6時までなどと時間帯を設定し、約20~30分おきに運行する」と報道しています。

タイ大量高速輸送公社、都市鉄道の無料試験運行開始 (日本経済新聞)

パープルラインはさらなる延伸計画もあり、計画ではタオプーン駅からバンコク南部のラートブーラナ駅まで20km以上延伸される予定。現時点ではタイ政府の承認を待っている状態です。

2016年に入り「オレンジライン」などいくつかの路線が既にタイ政府から承認済みで、今後バンコクの都市開発はさらに進みます。詳しくは下記記事をクリックしてお読みください。

<こちらの記事も合わせてどうぞ!>

バンコクの新路線MRTパープルライン、乗り方・路線図徹底ガイド
タイの高速鉄道・線路複線化など国内交通インフラ計画・最新版(2016年2月)
タイ・バンコクの都市交通計画2018年最新版!(BTS・MRT・エアポートリンク)


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バンコク在住、タイ不動産のラ・アトレアジア(タイランド)元代表。2013年にバンコクへ移住し、不動産仲介会社設立。バンコクのコンドミニアム「168 Sukhumvit 36」をJV開発後、退任し日本に帰国。現在はウクライナ・モンゴル・ラオスなどの不動産事業を手掛ける。岡山県倉敷市出身。

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