タイ不動産における住宅ローン問題

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タイの不動産開発業者が住宅ローンの貸出要件の緩和を求めています。タイでも自国民であるタイ人らを対象に住宅ローン融資が存在します。成長国のため、住宅ローン金利は約4%。しかし、貸出審査が近年厳しく厳しくなってきました。

今日は、タイの住宅ローンについてバンコクポストの記事から紹介します。

タイの不動産開発業者ら、住宅ローン規定の緩和を促す

housing fair bangkok

(写真)2016年3月10日、クイーン・シリキット・ナショナル・コンベンション・センターで開催された住宅・コンドミニアム見本市で、住宅の購入を検討しモデルをのぞき込む男性(写真提供:Pawat Laopaisarntaksin)

「タイの住宅需要は住宅ローンの審査基準が厳しいため、購入が妨げられている。政府は住宅購入者がより容易に住宅ローンを利用できるよう支援しなければならない」と、タイ証券取引所(SET)上場企業の住宅開発事業者であるLand & Houses Plc会長のAnant Asavabhokhin氏は述べた。

「購買力は強いものがあります。不動産市場を後押しする手段があるとすれば、住宅購入者が住宅ローンを利用することができるよう支援することです。審査が通らない確率はまだまだ高いのです」と、氏は重ねて言う。

L&H会長に加え、上場企業Origin社長もタイ不動産住宅ローンの要件緩和に言及

タイ証券取引所(SET)上場企業の住宅開発事業者であるOrigin Property Plc社長Peerapong Jaroon-ek氏は、銀行は厳しい融資規定を適用する際には住宅購入者や市場区分を分類すべきだという。

「すべての人が財政的に問題をおっているわけでもありませんので、銀行はより厳しい融資規定をすべての顧客やすべての部分に適用すべきではありません」とPeerapong氏は述べた。

Land department bangkok

バンコクの土地局、不動産購入後の登記はここで行う

不動産市場は4月末に終了した不動産登記料の減税に後押しされ、2016年1月-4月までは成長を見せたとAnant氏は述べた。市場の減速は5月~6月も続くと見られる。この傾向が年内いっぱい続くかどうかはまだ不透明だ。

(出所:Bangkok Post “Developers urge relaxed home loan rules” グロビジ!翻訳・要約)

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タイ不動産の住宅ローン融資の概要

タイの住宅ローンは最大30年借入が可能で、用途は土地、住宅、タウンハウス、コンドミニアム等に利用できます。借り換えなども可能ですが、カシコン銀行によると下記の条件が設定されています。

  1. タイ国籍かつ21歳以上
  2. 2年以上同じ会社で勤務実績がある、もしくは2年以上の職務証明
  3. 自営業の場合は2年以上の自営実績
  4. 月収1.5万バーツ以上(公務員等は1万バーツ以上)

なお、最初の3年は固定金利もしくは変動金利を選べますが、それ以降は変動金利となります。

※住宅ローンの要件等は予告なく変更される場合があります。また、銀行によって要件は異なりますので、詳しくはタイ国内の銀行に確認をお願いします。

外国人向け住宅ローンは約7%の金利

タイ人以外がローンを借りる場合は、タイ国内にある外資系銀行の一部が外国人向け住宅ローンを提供しています。但し、金利は約6%~7%に達するため、タイの平均的な賃貸利回りを上回るため利用は現実的ではないでしょう。

2016年6月時点では、タイ国内の銀行は住宅ローンの要件を厳格化しているという説もあります。一方で、政府は格差を減らす施策を推進しており、低価格住宅を作り低所得者を優遇する下記のような施策も登場しています。

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今回紹介した上場企業代表の提言通り、政府が仮に住宅ローンで何か優遇策を発表する可能性もあります。いずれにせよ、日本人がタイ不動産を買う場合はタイでの融資は期待せず、日本国内での資本調達がオススメです。

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バンコク在住、タイ不動産のラ・アトレアジア(タイランド)元代表。2013年にバンコクへ移住し、不動産仲介会社設立。バンコクのコンドミニアム「168 Sukhumvit 36」をJV開発後、退任し日本に帰国。現在はウクライナ・モンゴル・ラオスなどの不動産事業を手掛ける。岡山県倉敷市出身。

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