エアポートリンク・マッカサン駅周辺の土地移譲計画

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バンコク都市鉄道エアポートリンク・マッカサン駅周辺の開発計画の延期報道が出ています。

同駅周辺はスカイウォークで2015年に地下鉄MRTペチャブリ駅と連結され利便性が向上。しかしまだ駅周辺に空き地が多く、開発計画が待ち望まれています。マッカサンの近況を『バンコクポスト』の記事から紹介します。

マッカサン駅周辺の土地移譲計画が妨害にあう

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マッカサン地区の497ライ(79万5,200㎡)の土地移譲計画は延期となった。タイ国有鉄道(SRT)が財務省に対する巨額の借金を返済するための移譲だが、憲法改正懸念が落ち着くまで延期される。

チャクリット・パラプンタクル財務省局長は、「移譲計画の法的問題は評議会によって審査保留となっている。国家そして政府の法律顧問から法的な質問が提起されている状態だ」と述べた。

「マッカサン構想」に関しては、法的な懸念があると同氏は語る。鉄道開発でや他の目的での特例開発も考慮されている。

SRTは610億バーツの債務と引き換えにタイ財務省にマッカサンの土地を供与

マッカサンにある同地の移譲は、SRTの610億バーツに及ぶ債務の見返りに99年の間、財務省に土地をリースする契約となっている。計画では、SRTは財務省との覚書に署名後、497ライのうち105ライを手渡すことになる。さらに1年~2年以内に別の30ライが引き渡される。

財務省は、商業地区や公園などの土地開発に、推定200-300億バーツ投資する計画を立てている。

SRTはクローントゥーイ地区のメナム駅周辺を含む一等地の3用地を商業開発のため提供する予定だ。一方で、マッカサンの開発計画進展前に、市民からの非難の声があがっている。

497ライの土地の一部は、バンコクの貴重な緑地の一つで約150ライ(24万㎡)にわたる。他の30ライ(4.8万㎡)は建築や歴史的価値のある場所だと認識されているためだ。開発に関する直近の公聴会で、参加者らが繰り返しマッカサン地区で始まるメガプロジェクト開発の新たな基準を設定するよう政府に促した。

モンクット王ラット・クラバン技術研究所の、建築家であり都市開発の専門家であるPrinya Chukaew氏は、政府が地域社会や市民セクターを巻き込みメガプロジェクト開発に取り込むべきであると述べた。

マッカサンの開発は市民のために使われるべき

「マッカサンは古くからの歴史を持ツ場所で、開発は持続可能な方法で行われるべきだ。公共のために使われるべきで、SRTの単なる債務返済のためであってはならない」と、氏は語る。

Big Tree groupのPongprom Yamarat氏は、マッカサン開発プロジェクトは、金融ペイオフに焦点を当てて開発政策の上に疑問を提起している他の巨大プロジェクトの一つであると述べた。

(出所: Bangkok Post “Makkasan land handover hits obstacle” グロビジ!翻訳・要約)

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マッカサン・ペチャブリ・ラマ9周辺の開発について

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ART・マッカサン駅周辺(平日午後13時頃撮影)

エアポートリンク・マッカサン駅周辺は写真の通り、平日午後早い時間帯から渋滞する場所。地下鉄ペチャブリ駅からMRTスクンビット駅/BTSアソーク駅へ向かうアソークモントリ通りはバンコクでも最も渋滞する通りの一つです。

ペチャブリ・ラマ9近辺は商業施設シンハーコンプレックスSuper Towerなど大型の開発が続々と続きます。とは言え、バンコクの商業施設は都心部と言えどさすがに過熱気味。大手のMall Groupでさえ、プロンポン駅前のエムクアーティアの開業以降、EM Districtの3弾目であるエムスフィアの開発を一時停止しているほどです。

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マッカサン駅周辺のペップリーやラマ9ではコンドミニアムも多く開発されているものの、地下鉄MRT沿いは外国人でも中華系が中国大使館のあるフアイクアンやラチャダーピセーク通りに住む程度で、欧米人や日本人が好むエリアではありません。

ラマ9を中心に新CBD(ビジネス中心街)になると言われている地域ですが、2018年~20年に開発が出揃ったころには結果もわかることでしょう。少なくとも在タイ日本人向けのエリアにはならないかなと見ています。

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バンコク在住、タイ不動産のラ・アトレアジア(タイランド)元代表。2013年にバンコクへ移住し、不動産仲介会社設立。バンコクのコンドミニアム「168 Sukhumvit 36」をJV開発後、退任し日本に帰国。現在はウクライナ・モンゴル・ラオスなどの不動産事業を手掛ける。岡山県倉敷市出身。

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