REICのバンコク不動産詳細レポート

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REIC(タイ不動産情報センター)がバンコク不動産に関する詳細なレポートを発表しました。

※下記レポート内の価格は注釈が無い限り、平米当たり単価で記載しています。

地価上昇と低迷する不動産市場が、コンドミニアムを格好の投資先に変貌させた

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バンコク一等地での再販コンドミニアムは新たに着工されるユニットと比べ低価格で販売されており、価格上昇余地を保持しているため魅力を残している。

バンコクの中古コンドミニアムに割安感、新着工比で3~4割安

プラスプロパティのPoomipak Julmanichoti代表取締役によると、「バンコクの再販コンドミニアムの人気は、過去5年比で高まっている」。同じ地域で新たに着工されるユニットと比べ、竣工済みコンドミニアムは30%-40%ほど安価に販売されているからだ。

「新たに着工されるユニットと再販コンドミニアムユニット間の価格差は、地価の上昇によって引き起こされる。一等地では用地不足に悩まされている。そのため価格差は非常に大きい」と、氏は言う。

同社の調査によると、昨年トンローエリアで発売されたコンドミニアム価格は平米あたり275,500バーツだったが、2012年は176,000バーツであった。つまり、三年間で56%以上価格が上昇していることになる。

完成済みコンドミニアム、中古となっても価格は下がらず上昇

その一方、2014年に完成したプロジェクトは平米あたり230,000バーツまで急騰し、2012年の平米あたりあたり128,000バーツに比べると2年間で80%の増加傾向にある。

不動産コンサルタントCBRE(タイランド)のレポートによると、中央ルンピニ、シーロム・サトーン、スクンビットなどの一等地で供給された、第1四半期の新しいハイエンドコンドミニアムの平均価格は前年同期比7%上昇の215,395バーツであった。

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バンコクの新築・再販コンドミニアム価格 (出典記事の数値よりグロビジ!作成)

3エリアで最も高い平米単価は中央ルンピニで、前年比5%増の241,700バーツ。スクンビットの平均平米単価は6%増の229,667バーツ。シーロム・サトーン地域では6%増の22万バーツであった。

再販のハイエンドコンドミニアムは、中央ルンピニで200,833バーツであり、スクンビットでは183,810バーツ、シーロム・サトーンでは194,286バーツ、また、である。前年比では各5%、5%、4.5%の上昇であり、平均で4.8%上昇となった。

バンコク首都圏のコンドミニアム指数は2015年比5%上昇

先週、不動産情報センター(REIC)は、2016年はバンコク、ノンタブリ、サムットプラカーンでのコンドミニアム指数が、第二四半期において前年比で5%増と報告した。

最高値の上昇は、平米あたり8~12万バーツで販売中のコンドミニアムで5.9%増。平米あたり12万バーツ以上のコンドミニアムは4.7%上昇、平米あたり5~8万バーツのコンドミニアムは4.2%上昇した。一方、平米5万バーツ未満のコンドミニアム価格は2.9%上昇、一戸建てとタウンハウスはそれぞれ1.6%と2.3%上昇となっている。

バンコク首都圏の平均地価は30年で47倍に上昇

不動産コンサルタント企業の話によると、バンコク首都圏の平均地価は1985年から2015年の間に47倍に上昇した。最も上昇したのはCBD(ビジネス中心街)の年間37.1%であり、一方ダウンタウンと呼ばれる都心部は平均で年27.4%の上昇だった。

2015年、最も地価が上昇したエリアは、ラチャダーピセーク~タープラ通り、クルアイナムタイ~ラマ4世通り、サムローン。これらの場所での地価は2014年から15%以上の上昇となった。

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バンコクの地価公示価格 (出典記事の数値よりグロビジ!作成)

バンコクで最も地価が高いのはサイアム、チットロム、プルンチット地区。公示価格は1ワー(=4平米)あたり190万バーツだったものが、2016年は平米あたり217万バーツになると推測されている。

続くのは1ワー(=4平米)あたり185万バーツで、スクンビットのタイムズスクエア周辺。シーロム160万バーツ、ヤワラート120万バーツ。そして、スクンビットソイ21またはアソークエリアは110万バーツ。

バンコクのコンドミニアム価格推移、過去5年間で年/7.3%上昇

Poomipak氏はバンコクのコンドミニアム価格は過去5年間と10年間でそれぞれ年/7.3%、5.2%平均で上昇し続けていると言う。CBD(ビジネス中心街)にある高層コンドミニアムは、最高の価格の上昇をたどっている。

「CBDにある高層コンドミニアムは購入後最初の2年間に少なくとも50%のキャピタルゲインを得た後、4年間で65%の利益上昇を得ることができることを我々は発見した。10年間保有で100%にまですることができるかもしれない」と同氏は話す。

竣工前コンドミニアムのリセール再販市場は低迷か

特徴的な点として、ユニットが完成する前に転売取引する投機(タイ語でゲンガムライと呼ばれる竣工前の権利転売)や短期投資は昨年から鈍化している。

「竣工前再販マンション市場は景気低迷と高い家計負債により、2014年以降鈍化している」とPoomipak氏は言う。同社は2014年の4.7億円から少し減少し、再販のコンドミニアムで4億円の売上高を記録した。今年度の売上目標は昨年と同じくらいである。

今まさに長期投資としてコンドミニアム投資を考えるべき時

今まさに長期投資としてコンドミニアム投資を考えるべき時で、過去数年の間はあまり魅力的ではなかった」と彼は言う。さらに「分割支払金(ダウンペイメント)支払期間中や竣工前の転売は、経済と不動産市場の低迷のため取引件数も減少している」と付け加えた。

CBREのAliwassa Pathnadabutr代表取締役は、「第1四半期のバンコクのコンドミニアム市場は停滞しつつあり、昨年の第4四半期以降、新着工数は減少傾向にある」と言及した。

「第1四半期に、多くの大手ディベロッパーは、竣工済み物件の販売と登記・引渡しに焦点を当てました。しかし、昨年10月から2016年4月まで施行された政府による刺激策があったものの、売れ残り在庫は増加した」と同氏は語る。

地価は依然上昇、都心部の新発売コンドミニアム価格は上昇していくだろう

2013年以来、郊外マンション市場では新着工数が年々下落し続けている。これは、バンコクのコンドミニアム市場全体の低迷を反映していると言えるかもしれない。一方で、Aliwassa代表取締役は下記のように締めくくった。

「地価は依然として上昇しており、人気の都心地域(ダウンタウン)で新発売されるコンドミニアムの価格は上昇していくだろう。郊外のコンドミニアムは僅かに増加もしくは横ばいであるが、そこで大きな供給が吸収されることを待っている」

(出所:REIC “http://www.reic.or.th/News/News_Detail.aspx?newsid=52172” グロビジ!翻訳・要約)

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REICのバンコク不動産レポート概要

  1. バンコクの再販コンドミニアムの人気は、過去5年比で高まっている。新たに着工されるユニットと比べ、竣工済みコンドミニアムは30%-40%ほど安価に販売されている
  2. 新着工ユニットと再販コンドミニアムユニット間の価格差は、地価の上昇によって引き起こされる。一等地では用地不足に悩まされている。そのため地価の安かった頃に竣工した物件との価格差は非常に大きい
  3. 昨年トンローエリアで発売されたコンドミニアム価格は平米あたり275,500バーツだったが、2012年は176,000バーツであった。三年間で56%以上価格が上昇している
  4. 完成済みコンドミニアム、中古となっても価格は下がらず上昇。一等地における再販コンドミニアムも年平均4.8%の価格上昇
  5. バンコクのコンドミニアム価格は過去5年間と10年間でそれぞれ7.3%、5.2%平均で上昇し続けている
  6. 2015年、最も地価が上昇したエリアは、ラチャダーピセーク~タープラ通り、クルアイナムタイ~ラマ4世通り、サムローン。これらの地価は2014年から15%以上の上昇
  7. バンコクで最も地価が高いのはサイアムスクエア、チットロム、プルンチット地区。公示価格は1ワー(=4平米)あたり190万バーツで、2016年は1ワーあたり217万バーツになると推測されている
  8. 竣工前コンドミニアムのリセール再販(ゲンガムライ)市場は低迷
  9. 今まさに長期投資としてコンドミニアム投資を考えるべき時
  10. 地価は依然上昇、都心部の新発売コンドミニアム価格は上昇していくだろう

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バンコク在住、タイ不動産のラ・アトレアジア(タイランド)元代表。2013年にバンコクへ移住し、不動産仲介会社設立。バンコクのコンドミニアム「168 Sukhumvit 36」をJV開発後、退任し日本に帰国。現在はウクライナ・モンゴル・ラオスなどの不動産事業を手掛ける。岡山県倉敷市出身。

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