タイで働く

タイの最低月給は日本人初任給平均を上回った!タイ勤務は日本より高給ってほんと?

タイをはじめ、アジア就職を希望する日本人が増えています。特にタイは登録者だけで7万人を超える日本人が暮らし、首都バンコクは日本人にとって暮らしやすい街の一つであることは疑う余地がありません。

後述しますが、タイでは外国人を雇う際の最低賃金が決められています。既に日本円ベースで換算すると、タイで働く場合の最低月給は日本人の平均的な初任給を上回っているのです。 続きを読む

タイでの「現地採用就職」を考える。海外で生活するためのハードルは何だろう?

タイでの「現地採用就職」について、考えてみたいと思います。先日の記事「タイでの最低月給は日本人の国内初任給平均を上回った!タイで働くほうが日本より給与が高いってほんと?」が、はてなブックマークでもTOPに表示されるなど、大きな反響を頂きました。

そこで今日は、タイでの海外就職に対する僕の意見をお伝えしたいと思います。それでは、いってみましょう。 続きを読む

【インタビュー】バンコクの国際機関で働く大学院生に、タイでのインターン生活について聞いてみた。

バンコクにある国際機関で働く、東京工大の大学院生Iさんに「バンコクでのインターン生活」について聞いてみました。「U」から始まる世界的に有名な組織でのインターンです。

Iさんは過去にオーストラリアへ留学した経験もあり、今回のインターンは約半年で来週日本に帰国するタイミング。実際にバンコクに住みながらインターンとして働いた経験について、インタビュー形式でご紹介します。 続きを読む

タイの労働許可証(ワークパーミット)の期限が1年から2年に延長される?

タイの外国人向け労働許可証は、取得が難しいことで有名です。例えば、BOI という投資奨励恩典を取得していない場合、「外国人を一人雇用するごとに、タイ人を4名雇う事」や「企業の資本金最低200万バーツ(約720万)で、2名目以降は都度200万バーツを増資する」など、発生する費用は少なくありません。

今日は、タイの労働許可証(ワークパーミット)の期間延長に関するニュースを、バンコクポストの記事よりご紹介します。

タイの軍政権、外国人向け労働許可証の期限延長計画を発表

タイの労働許可証

タイの外国人向け労働許可証

タイの軍政府は、タイで働く外国人労働許可(ワークパーミット)の期間を現在の1年から2年に延長すべく、内閣の承認を求めることを計画している。外国直接投資の誘致を増加させることを、目的とした措置の一部だ。

チェンライで開かれた第32回タイ商工会議(TCC)年次総会の日曜フォーラムで、Pridiyathorn Devakula 副首相が計画を明らかにしたもの。政府は明日の週次ミーティングにおいて、労働許可の延長を承認する法案の提案をする予定だ。「タイでの外国投資を後押しするための政策だ」と、副首相は語る。

その他の方針として、タイで地域統括本社(regional headquarters)を設立する場合、外国人投資家に特典を与える計画も、政策の一部に含まれている。「これらの施策は、タイを貿易立国とすべく作られた」と、Pridiyathorn政府経済情勢担当官は話す。

「タイを”デジタルエコノミー”に変貌させる計画が、年明け早々に発表される。タイ経済は、現プラユット政権が実施している景気刺激策のおかげで、1月には明確な回復を示すだろう」と、彼は続けた。

(出所: Bangkok Post “govt unveils plan to extend work permits” 筆者翻訳・要約)

労働許可期間の延長は、タイで働く外国人にとっては朗報!

タイで働く外国人パスポート

在タイの労働者にとって、労働許可証の期限が2年に延長されるというのは朗報です(更新の手続きにかかる労力は結構なものです)。とは言え、バンコクポストの記事にある「外国直接投資が増加させる」ための直接要因には、あまりなり得ないでしょう。

それなら、当記事の冒頭で書いた規約(「外国人を一人雇用するごとに、タイ人を4名雇う事」や「企業の資本金最低200万バーツ(約720万)で、2名目以降は都度200万バーツを増資する」など)を緩和するべきでしょう。とはいえ、タイ居住者にとって重要な政策であることに間違いありません。続報があり次第、ご紹介します。

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タイで「外国人事業法」改正の動き!飲食店や小売り・観光など幅広い業種が営業制限される?

タイには外国人事業法(FBA)という法律があり、外国企業へ規制業種を設けています。今回、タイの商務省が発表したところによると、「外国勢が株式の49%以下しか保持していない場合でも、取締役会の主導権を保持し、会社の主導権を握っている場合は、それを”外国企業”とみなす」というもの。

これが、日系企業にとってどう危険なのか?『バンコクポスト・サンデー』の記事を元に、「タイの外国人事業法」改正の動きをご紹介します。

外国人事業法(FBA)とはどんな法律で、どう改正されるか?

FAQ:
外国人事業法(FBA:Foreign Business Act)とは、どのような法律ですか?

ANSWER:
外国人・外国企業(外国資本50%以上)が事業を営むことを規制する法律です。この法律では、規制する事業を大きく3つのカテゴリーに分けて管理しています。

  1. マスメディアや農林水産業、土地取引など9業種(事業の性質から外国企業の参入が禁止されている業種)
  2. 国家の安全保障や芸術文化および自然資源にかかわる事業13業種(内閣の承認と商業大臣の認可を得ない限り、事業参入できない)
  3. 精米・製粉、養殖、植林、会計・法律サービス、エンジニアリング、代理紹介、小型小売業、広告業、観光業、レストランなど21業種(タイ国民が外国人と競争する準備が整っていない業種) ※外国人事業委員会の承認を受けない限り、参入できない(ただし、承認実績は皆無)。

出所:中小機構 中小企業国際化支援レポート (筆者改行)

ポイントは、「外国企業」である場合、指定されている禁止業種へは参入できないという点です。

先ほどもご紹介しましたが、タイの商務省が今回発表したところによると、「外国勢が株式の49%以下しか保持していない場合でも、会社の主導権を握っている場合は、”外国企業”とみなす」とあります。

つまり、本格的にこの方式が承認され、「外国企業」と見なされた場合、指定禁止業種の事業は継続できないことになります。指定禁止業種は、レストランや観光業、法律・会計、小売・卸売業、代理・仲介業など幅広く、外国企業はこれらの分野で事業が出来ない事態となるのです。(指定業種については、JETROのリンクを参照ください)

日本大使館の次席公使も、「外国人事業法」改正に懸念を発表。

thai law for foreigner

この動きに関して、タイ国内の英字新聞・日曜版の『バンコクポスト・サンデー』に日本大使館次席公使のインタビューが掲載されていました。以下、参照ください。

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タイで操業中の日本企業の少なくとも半数は、タイの外国人事業法(Foreign Business Act)への変更案が進む場合、事業のコントロールを放棄するか、移転を余儀なくされるであろう。と上級外交官は警告した。

齊藤貢日本大使館次席公使は、「2007年に提案されたような、外国法人による合弁会社支配を制限する改正は、既存および将来の投資に深刻な影響を持つだろう」と語る。

「大使館は改正案について非常に懸念している」齊藤氏は『バンコクポスト・サンデー』にそう語った。合弁事業の所有権はタイ側でなければならないと、法律が変更された場合、日本勢は外国法人の所有権を放棄するか、タイからビジネスを撤退する必要がある。

タイに5000社ある日系企業の約45%がサービス業であり、法律が変更された場合、それらの99%に影響を与えるだろう、と齊藤氏は話す。残りの55%が影響を受けるかどうか、まだ明確にはなっていない。

タイ中央銀行によると、タイにおける日本の投資額は570億米ドル(1兆8千億バーツ※約6兆2900億円 筆者注)で、タイへの直接投資額の半分以上を占める。

先週、商務省が外国人事業法(FBA)を改正する計画を発表したことを日本側が懸念している。
その内容は、「外国勢が株式の49%以下しか保持していない場合でも、取締役会の主導権を保持し、会社の主導権を握っている場合は、それを”外国企業”とみなす」というもの。

もとより、地元企業として要件を満たす合弁会社を作るには、タイ側が株式の50%以上を保有する必要がある。しかし、現行の外国人事業法(FBA)は、外国人が取締役会の半数以上を占めることを禁止しておらず、タイ国内の合弁企業をコントロール可能だ。

計画は2007年に提案された法案と類似しており、当時最終的に決議されることは無かった。もし、法案が通過した場合、企業は猶予期間を与えられ、資本比率の変更を迫られるだろう。齋藤氏は多くの日系企業が投資の引き上げより、業務の管理放棄を選ぶと予測する。新しい法律の制定には、まだまだコストと時間がかかるだろう。

(『Bangkok Post Sunday』 “Japan envoy warns of investor exodus” 筆者翻訳・要約)
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すぐに施行される類の法案ではありませんが、日本からの直接投資やタイ現地でのビジネスに大きく影響する報道です。せっかく、世界銀行が「ビジネスのしやすさランキング」で日本を抑えて上位に来てたのですが……今後も(グロビジ!)では続報をご紹介してまいります。

「ビジネスのしやすさランキング」タイは世界26位!世界銀行が発表

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