
タイの首都バンコクでは交通インフラの整備が進行中。高架鉄道BTSや地下鉄MRTにおいて、ブルーライン・パープルライン・グリーンラインなど複数路線が新規開業、延伸工事を進めています。
2017年にはパープルライン(バンパイ運河駅-タオプーン駅)が開業。その後、ブルーライン延伸部分(フアランポーン駅-ラックソン駅、バンスー駅-タープラ駅)が運行開始予定。バンコク都内を走る地下鉄MRT・ブルーラインの延伸計画についてご紹介します。
※記事内の延伸工事写真は、全て2015年5月に撮影したものです
MRTの延伸計画、ブルーラインはバンコク西部に延伸
バンコク地下鉄・MRTの既存路線と延伸計画 (出所:lookeastmagazine.com)
バンスー-タープラ間
この区間は全8駅、全長11キロ。計画では、バンスー駅が始点で全て高架鉄道となる予定。Pracharat-Sai-2通り沿いを運行しながらチャオプラヤ川を超え、Charan Sanitwong通りを走ります。Phetchakasem通りとCharan Sanitwong通りの交差点でタープラ駅に接続します。
フアランポーン-ラックソン間
同区間は全長14キロで、うち4駅・5キロ区間は地下鉄として運行され、残りは高架鉄道。フアランポーン駅が始点で、チャイナタウンの目抜き通りであるCharoen Krung通りを走行します。次いで、ワット・ポー手前で左折後、パク・クロン市場付近でチャオプラヤ川の下を通過。タープラ駅以降は、Phetchakasem通りに沿って終点ラックソン駅に到着します。
国鉄・MRTフアランポーン駅前の地下鉄工事現場
前述の通り、MRTの延伸路線はフアランポーン駅~ワット・ポー前のサナムチャイ駅を除き、ブルーラインは区間の大半が高架鉄道となります。高架鉄道はBTS、地下鉄はMRTという従来の認識はもう使えません。地下鉄は工事費が高いのも影響しています。
参考までに、国営のMRTA(タイ高速道路交通公社)が、資産保有や路線建設を行い、民間のバンコク・メトロ社がMRTの運営をする「官民一体事業」としてMRTは運営されています。
バンコク・ブルーライン、ワットポー・王宮周辺の地下鉄延伸部分を歩いてみた。
MRTブルーライン・ワットマンコン駅の工事現場
実際に歩いてみましたが、中華街(ワットマンコン駅、ワンブラパー駅)を抜けて、王宮やカオサン通り周辺(サナムチャイ駅)に向かうブルーライン延伸路線は、観光客にとって利便性の高いものとなるでしょう。タクシー・バス・ボートのみだったアクセスに地下鉄が加わり、周辺地価が上がるのは間違いありません。
MRTブルーライン・ワンブラパー駅の延伸工事現場
サナムチャイ駅(写真下)は王宮やワット・ポー、官公庁が集まるエリア。ワットマンコンやワンブラパ駅(写真上)周辺は人口も多くいます。中華街に近いためか中華系タイ人が多く、自営で生計を立てる家庭が多い印象。目立った産業は無く、爆発的な人口増加は見込めませんが一定の地価上昇は期待できるでしょう。
ブルーラインの延伸工事完成予定は2019年~2020年
MRTブルーライン・サナムチャイ駅の延伸工事現場
タイの英字新聞『Nation』紙によると、2014年9月時点での工事進捗は63.7%で、予定工期よりも若干早く工事が進んでいるものの、チャオプラヤ川の下を通過する工事は時間を要するだろうとのこと。地下鉄MRTは2003年の運行開始予定から1年遅れで、2004年に開通した経緯もあります。
個人的には今回も2017年開通にずれ込むのではないかと懐疑的に見ていますが、どうなるでしょうか?一足先にイサラパップ駅までの5駅を先行開通させる可能が高そうです。
※ブルーライン延伸区間(BLX)の開業予定は当初の2016年から大幅に遅れ、2019年末より順次開業予定。2020年には全線が開通予定です。
MRTブルーライン・イサラパップ駅について
MRTブルーライン・イサラパップ駅の延伸工事現場
MRTブルーラインは現在運行しているバンスー駅から、このイサラパップ駅までが地下鉄に。先のタープラ駅やバンスー側のタオプーン駅以降は高架鉄道として運用されます。
※バンスー駅~タープラ駅間が2017年8月11日に開業しました。
▼バンコク地下鉄、8月11日に高架延伸区間開業 (Newsclip.be)
なお、バンコクMRTブルーライン「バンスー-タープラ間」の路線については下記の記事で詳しく紹介しています。併せてご覧ください。
▼MRTブルーライン延伸部分「バンスー~タープラ線」全駅写真で紹介!
<こちらの記事も合わせてどうぞ!>
▼タイ・バンコクの都市交通計画2018年最新版!(BTS・MRT・エアポートリンク)
▼バンコクの新路線MRTパープルライン、乗り方・路線図徹底ガイド
▼タイ最大の中華街、ヤワラート。仕入れの定番、卸問屋街を訪ねる。


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