バンコク高速道路(BECL)と地下鉄(BMCL)が合併へ

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タイの交通インフラ大手2社の合併が決定しました。バンコク高速道路を運営するBECL社とバンコクメトロ(地下鉄)を運営するBMCL社です。

首都バンコクの巨大交通インフラ2社の合併は、今後どのように変化をもたらすのでしょうか?

バンコク高速道路(BECL)とバンコクメトロ(BMCL)とは?

MRTブルーライン延伸工事・バンイーカン駅

バンコク都内の高速道路とバンコクメトロ社が運行予定のMRT・新ブルーライン

BECL社はバンコク都内および近郊を走る高速道路の管理・運営を行っています。交通量増加により年々売上も増加しており、売上高営業利益率も高水準。2014年度の配当利回りは4.05%でしたが、2015年は増配もあり6.06%を記録した高配当銘柄としても有名です。

2015年11月は交通量が過去最高を記録、さらに新しいSi Rat -Outer Ring Road Expressway(SOEプロジェクト)も2016年に開通予定と報告しています。

1.交通
11月の交通量が過去最高を記録して成長を続けています。1,108,726トリップ/日(以前の最高記録は1,101,599トリップ/日 2015年2月)。11月の一日あたりの平均交通量は、前年同期比2.10%増(過去最高)、一日あたり平均売上高は前年同期比で2.50%アップしました。

2.プロジェクトの進捗状況
SOEプロジェクトは82.52%の進捗率。計画より前倒しで2016年にオープンする見込みです。
(出所: BECL社ニュースレター 2015.12.9 グロビジ!翻訳・要約)

一方、バンコクで地下鉄を運営するBMCL社は毎年赤字を計上しており、2006年の上場以降、配当を出したことは一度もありません。主力のMRTブルーラインに加え、2016年には新路線であるパープルラインが運行を開始する予定です。

パープルラインは2016年5月に無料走行を開始。バンコクとノンタブリ県を結ぶ新路線が誕生。

BECLとBMCL社の合併のプロセスについて

タイ内閣はバンコク高速道路(BECL)とバンコクメトロ(BMCL)間の合併を2015年12月8日に承認、新会社名はBangkok Expressway and Metro (証券コード:BEM)に決定しています。

今後の合併に関するスケジュールは以下の通りです。特にタイ株を取り引きされる方はご注意ください。

  • 2015年12月18日…BECL&BMCLの株式売買最終日
  • 2015年12月28日…BECL&BMCL株主との共同株主総会。合併に起因する新会社に関連する様々な事項を討議
  • 2015年12月30日…新会社(BEM)の登記
  • 2016年1月4日…新会社(BEM)の2016年最初の取引日

(出所: BECL社ニュースレター 2015.12.9)

また、KGI証券の報道によると、BECL・BMCL両社の保有株に対するBEM(新会社)への株式交換比率は以下の通りです。

  • BECL社の1株に対し、8.65537841 BEM社株を付与
  • BMCL社の1株に対し、0.42050530  BEM社株を付与

バンコク高速道路と地下鉄の合併がもたらすものは?

Thai stock market

合併する2社ともにCH. KARNCHANG(CK)社が大株主で、2015年12月時点で同社がBECL社の35.47%、BMCL社の17.13%の株式を保有。新会社バンコクエキスプレスウェイ&メトロの総資産額は2015年6月時点で約747億バーツとバンコクポスト紙も報じています。

バンコク高速道路の最高経営責任者Ms. Payao Marittanapornは「合併は、より多くのプロジェクトを追求する大きな財政力を与えます。2016年の高い利益につながるでしょう」と見通しを語りました。

具体的にはバンコクポスト紙の報道にある通り、タイ国内で新たに建設される高架鉄道のピンクラインやイエローラインの運行受注を目指すのでしょう。毎年赤字計上していた地下鉄のBMCLが、営業利益率の高いBECLと合併することで財政的にもBTSに対抗する力をつけそうで楽しみです。

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バンコク在住、タイ不動産のラ・アトレアジア(タイランド)元代表。2013年にバンコクへ移住し、不動産仲介会社設立。バンコクのコンドミニアム「168 Sukhumvit 36」をJV開発後、退任し日本に帰国。現在はウクライナ・モンゴル・ラオスなどの不動産事業を手掛ける。岡山県倉敷市出身。

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