
タイの軍事政権が、バンコク都内を走る新路線「オレンジライン」を承認しました。
近年バンコクでは首都圏の交通インフラ整備が進み、下地図にあるイエローラインやピンクラインなど新路線が計画・着工しています。パープルラインが2016年開業のニュースをご存知の方も多いことでしょう。それでは、早速見てみましょう。
バンコクの新路線、オレンジラインはどこを走るの?
バンコクを横断するオレンジライン (画像出所:MRTA ウェブサイト)
バンコクの東西を横断するオレンジラインは、タリンチャンからミンブリまでの新路線。管理をするMass Rapid Transit Authority of Thailand(MRTA)の計画によると、23駅(30.6キロ)が地下鉄路線で7駅(9キロ)が高架鉄道となる予定です。(出所:MRTAウェブサイト “THE ORANGE LINE”)
同サイトによると、西部のタリンチャン(地図左端)を起点としてバンクンノン(MRTブルーライン駅)とチャオプラヤ川を越え、ラチャティウィ(BTSグリーンライン)、タイ文化センター(MRTブルーライン)を通過し、バンコク東部のミンブリ(地図右端)へ向かいます。
オレンジラインの開業・運行開始予定はいつ?
MRTAの公式ウェブサイト(前述)やWikipediaによると運行開始およびオレンジラインの開業は2019年予定。一方で、タイの日系ニュースサイトであるNewsclip.beはタイ字新聞の報道として、2022年開業と報道しています。
閣議決定もされたばかりで、着工すらしていない状態で2019年開業は困難でしょう。Newsclip.beの記事にある2022年開業が現実的なラインと個人的には考えます。また、『Bangkok Post』の記事(下記)によると住民の立ち退き問題も発生しています。
オレンジライン計画は大きな壁に衝突
タリンチャン~タイ文化センター- -タイ運輸省は大量高速交通局(MRTA)のオレンジラインの西セクションの住民が移転を拒否して以降、再度計画を練り直している。移転拒否のニュースは、政府がタイ文化センターからミンブリまでの21.2キロレール部分の建設を承認した一日後に起こった。
住民たちは2015年6月時点で、タイ内閣がオレンジラインを承認した場合、プロジェクトの差止を行政裁判所に請願すると発言していた。MRTA理事のPeerayudh Singpatanakul氏は、「代替路線案はあるが、110億バーツの費用が余計に発生する」と話す。
地元コミュニティのリーダーは、「地下鉄の新路線が地下30メートルを掘って進む場合には、80年来住む土地を出る必要はない」と話す。一方で、MRTAの計画では地下トンネルは地表から20m下に作られる予定だ。MRTAはタリンチャンエリアに代替路線の構想があると語った。
(出所: Bangkok Post “Orange Line plans hit giant bump” グロビジ!翻訳・要約)
オレンジライン沿いの街は今後どう変わるか?
バンコクの人口密度分布図 (ピンク色が最も密度が高い)
バンコク西部のタリンチャンから東部のミンブリを通るオレンジラインは、バンコク都内でも人口密度の高いディンデン(3位)やラチャティウィ(4位)を走る新路線。
住民の立ち退きや、大変な地下鉄工事など問題はありますが、既存路線と連結するターミナル駅周辺の地価上昇が楽しみです。ピンクラインやイエローラインなど交通インフラが続々整う、2020年~2025年のバンコクはどんな姿になっているのでしょう?
オレンジラインの入札、着工について
オレンジラインの管理を行うMRTA委員会が、2016年6月16日に入札条件を承認。同年7月より入札が開始され、2017年初めには建設を開始するとの報道が出ていました。
その後、2017年2月に発注がされた模様。同年6月には着工と報道されています。
タイ電車公社(MRTA)は9日、バンコク首都圏の都市鉄道新線オレンジラインの一部、22・6キロ(地下10駅、高架7駅)の土木工事をタイの地場系建設会社に発注した。契約額は計792・2億バーツ。今年6月着工、2023年の運転開始を目指す。建設するのはバンコク中心部の地下鉄MRTタイランド・カルチャラル・センター駅からバンコク東部のミンブリ区スウィンタウォンを結ぶ22・6キロで、一部が高架、一部が地下鉄。(出所:Newsclip.be)
<他のバンコク交通インフラ記事も合わせてどうぞ!>
▼タイ・バンコクの都市交通計画2018年最新版!(BTS・MRT・エアポートリンク)
▼タイ国内初の都市環状線、MRTブルーラインの「バンスー~タープラ線」全駅を写真付きで紹介します!
▼バンコク都市交通網計画、ピンクライン・イエローラインの最新状況。


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