
これまで日本人の旅行者でも銀行口座開設が可能だった、バンコク銀行本店での非居住者向け銀行口座の開設が、2018年7月以降は事実上不可能となりました。
2016年9月以降、タイでは労働許可証なしの口座開設を実質禁止化されましたが、日本国籍保有者は例外的に「日本大使館+バンコク銀行本店の組合せ」で口座が開けるという抜け道がありました。しかし、今回の措置でそれも実質的に封鎖される事になっています。
タイ国内で非居住者による銀行口座開設が実質不可能に
(写真)スクンビット地区にあるバンコク銀行の支店
以前はバンコクの日本大使館へ運転免許証を持参し、英文の証明書を発行してもらえば、バンコク銀行本店の日本語カウンターにて旅行者でも非居住者用口座(インターネットバンキングは利用不可)の開設が可能でした。しかし、7月以降は本スキームを使った口座開設は不可となりました。
▼バンコク銀行での口座開設、労働許可証なし開設を実質禁止化へ
その予兆は、2016年9月にあり上記記事でも「タイの銀行口座開設はなるべく早く!いつか非居住者は作れない日が来る?」として注意喚起していました。それが、今回現実のものとなったのです。
では、労働許可証を保有しないタイ非居住者が銀行口座を開設したい場合、どういった方法が残されているのでしょうか?
2018年度版、非居住者がバンコクで銀行口座を開設する方法
非居住者がバンコクで銀行口座を開設を希望する場合、2018年7月時点で代表的な手法は下記の通り。
- 竣工済みのタイ不動産を取得し、登記簿を持参する(登記本人のみ有効)
- 銀行に飛び込み、口座開設してくれる支店・担当者を探す(保険等に加入させられる可能性有り)
- 王族や法人経営者など有力なコネがあるタイ人ネットワークを使う(詐欺にご注意を)
正攻法は1番のタイ不動産の登記簿を持参し、口座を開設するケース。過去はアパート等の賃貸借契約書で口座開設できた事例もありますが、近年さらに厳しくなっています。
2番は少し時間が掛かりますが、非居住者でも口座開設できる可能性があります。恐らく、バンコク都内よりも地方都市の方がハードルは低いでしょう(パタヤやプーケット以外では英語は通じにくくなりますが)。
世界的にマネーの引き締めがどんどん厳しくなり、租税条約未締結国やOECD未加盟国ですら、海外での口座開設が難しくなっています。口座開設海外口座の多国間情報交換制度もスタートし、引き締めは今後も強くなる一方。キャピタルフライト(海外への資金移転)をお考えの方は、急ぐ必要があるでしょう。
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