
エストニアの首都タリンに行ってきます。北欧に近いバルト三国に位置するエストニアはIT先進国として有名で、あのSkypeを生んだ国。中世から栄えた歴史ある街でもあります。
また、エストニアは中国などアジア圏企業の進出も少ない国で、マーケットが荒らされていない点は非常に魅力的です。では早速、エストニアの魅力と、視察する4つの理由を見ていきましょう。
エストニアを視察する4つの理由
- Skypeを産んだIT先進国
- EU加盟国の中でも物価が安い
- ブルーオーシャンで起業するのに良い環境
- 電子居住権で数十分で会社設立が可能
やはり外せないのは、エストニアのIT産業。後ほど詳説しますが、電子政府化しており、国民一人一人にIDを振り分け様々な恩恵をもたらしているデジタル国家。また、EU諸国の中でも物価が安く、治安も良いのが特徴です。エストニアを拠点にEU市場にアプローチが出来るのも見逃せません。
冒頭で少し書きましたが、「中華系企業の進出が少ない」事は非常に重要です。2018年12月に視察したギリシャは経済危機の後、さほど環境が回復していないにも関わらず、投資ビザを目的とした中国人によって不動産価格が高騰していました。
一方、私が2018年に起業したウクライナは、中華系がまだ入り込んでいません。街を歩いてもアジア系に会うことはまれで、すれ違いざまに目が合うほど。同じ経済危機を経た国でも、こうした文化レベルと物価にギャップのある国への進出を今後もしたいと考えています。
エストニアの基礎データ
エストニア
首都: タリン
通貨: ユーロ
人口: 134万 人 (2008年)
公用語:エストニア語(英語を話せる人がほとんど)
主要宗教:ルター派プロテスタント
概説:報道の自由度ランキングの上位国であり、公用語はエストニア語。複数の言語を話せる国民が多い。また、Skype(スカイプ)を産んだ国であり、外国のIT企業の進出も多くソフトウエア開発が盛んである。早期のIT教育や国際学力調査で欧州の上位国としても知られる(出所:Wikipedia)
エストニアはEUにも加入済み。人口は130万人程度の小国ですが、電子政府などの面白い取組みもあり、世界から注目されています。旧ソ連でもあり、法制度などもウクライナに似ているのではないか?と推測しています。
エストニアの公共交通機関
首都タリンでの主な公共交通機関は下記の3つ。エストニアでは2013年より「世界で初めて公共交通機関の利用を無料」としており、電子カードに市民番号を登録するだけで誰でも使える仕組みになっています。(残念ながら、我々外国人は市民番号を持っていない為、その恩恵は受ける事ができません)
- バス
- トロリーバス
- トラム(路面電車)
(出所:公共交通 – VisitTallinn)
外国人は、タリン市内の公共交通機関で、3つの乗車券を使用する事ができます。
(写真)エストニアのトラム路線図
1.タリンカード(観光者向け)
タリンカードの料金は、24時間26€。期限内であれば何度でも無料で公共交通機関を乗る事ができます。タリン動物園や博物館など40以上もの観光地が無料で入れるため、観光にはとても便利なカードです。
2.スマートカード
スマートカードは日本でいうSuicaで、チャージ式の乗車券。スマートカードの料金詳細は下記記事を参照ください。
3.紙の乗車券
これは直接運転手に現金を払い、引き換えに乗車券をもらう事ができます。料金は一律2€(学生は1€)となっています。
エストニアの治安とビザ情報
外務省海外安全ホームページでは、危険レベルは発表されておらず安全とされています。夜中でも女性一人で歩いてる姿も多く見受けられるそうですが、深夜の単独行動や酩酊した状態で出歩かないなど最低限の注意は怠らないようにしましょう。
エストニア はシェンゲン協定の加盟国であり、「90日間であればビザ無しで滞在可能」です。その他のビザ情報や滞在許可については、下記の記事に詳しく書かれています。
▼https://sekai-ju.com/life/est/visa/estonia-visa/ (出所:せかいじゅう)
エストニア の食事について
バルト沿岸諸国としてドイツ料理の影響を強く受けているが、後の支配者であるスウェーデン料理の影響も強く、長くスウェーデンの支配下にあった同じフィン・ウゴル語派の隣国フィンランドと似通った食文化を共有している。(出所:wikipedia)
エストニア の主食はパンで、日本人になじみの少ない「黒パン」が主に食されています。
バルト海、フィンランド湾、リガ湾に面していることから漁業がとても盛んで、ニシン、ウナギ、カレイなどを塩付けにし、ゆで卵、トマトと共に黒パンに乗せて食べるのが主流。また牛乳などの乳製品を使った料理も多く、穀物類と一緒に煮込んだ料理やデザートも食卓に並びます。
エストニアの経済状況
(出所:世界経済のネタ帳)
エストニアでは政府が市場にほぼ参入しない、自由放任主義をとっており、香港、シンガポール、ニュージーランド、スイス、オーストラリアに次ぐ「世界で6番目の自由経済国家」です。
IMFの統計によると、2017年の一人当たりのGDPは19,735ドルで、バルト三国の中では最も高い水準。同じ旧ソ連圏のウクライナの一人当たりGDPは約2,600ドル(2017年)ですから、国民数に大きな違いがあるとはいえ、収入には大きな格差があります。
近年では観光産業が成長し、世界遺産に登録されている「タリン歴史地区」を中心に毎年500万人もの観光客が訪れています。
eストニアと呼ばれるエストニアのIT産業とは?
エストニアは1991年にソ連から独立後、IT産業に力を入れ電子政府(e-Estonia)が発足しました。
電子政府は政府の仕組み全てがデジタル化され、エストニア国民一人一人にIDが振り分けられています。このID一つで、エストニアでは電子投票、結婚手続き、職務質問、全国民の収入を把握できることから、確定申告までデジタル化されています。
このe-Estoniaですが、本ブログの読者が興味を持ちそうな「居住権」や「起業」についても、外国人にも便利な制度を用意しています。
電子居住権で起業がとても簡単
電子居住権(e-Residency)を取得できるのは、2019年2月現在、世界でエストニアだけ。外国人が電子居住権を取得すると、エストニアの電子国民となることができます。
この電子居住権を取得する最も大きなメリットは現地法人をオンラインで設立できることでしょう。
会社設立に必要な、法人登記、銀行口開設などをすべて海外からオンライン申請でき、最低資本金(2500ユーロ)があれば、数十分で会社を設立することが可能に。この電子居住権を利用し、物価の安いエストニアを拠点に、EU諸国にビジネス展開するのも面白いでしょう。
エストニアの基礎データ・アクセス方法まとめ
- 日本から直行便は無く、欧州諸国で乗換が必要(フィンランドが便利)
- EU加盟国の中でも物価が安く、治安も安全で住みやすい
- 電子居住権で簡単に法人登記ができる
- エストニアを拠点にEU市場にアプローチが出来る
いかがでしたか?知名度の低いエストニアですが、公共交通機関無料や、世界初の電子居住権など政策が成功し、世界的にも注目されている国です。今後もIT産業を活かし、さらなる発展が期待できるでしょう。
私の専門である「不動産」においても、欧州各国に比べ安価な物件が多く市場に存在すると聞いています。今回の視察では、税制面や法務、実際の不動産視察に加え、現地エストニア人がどのようにITを活用して生活しているのか、物価や生活面を含めて調査してきたいと思います!
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