ウクライナの首都キエフ、欧州最貧国と呼ばれる国へ

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ウクライナへ行ってきました。2014年の内戦の影響で一人あたりGDPも年々低下し、2017年には欧州最貧国になるとさえ言われている国。その割に生活水準は高い点は興味深いところ。

今回は首都キエフを訪れた生の情報をご紹介します。美人大国としても知られるウクライナは、ビートルズも歌詞に書いたほど。基礎データ・治安面を交え、ウクライナが面白いと感じる4つの理由を紹介します。これからウクライナへ行く方も予習資料としてお使いください。

欧州最貧国?ウクライナが面白いと考える4つの理由

  1. 人口規模は世界32位、約4,500万人
  2. 通貨フリヴニャは対米ドルで約4分の1に下落
  3. 2017年には一人当たりGDP下落で欧州最貧国となる可能性も
  4. 人種が多様に交わり、美男美女が多い

ウクライナの人口は約4,500万人、日本の約3分の1で、世界32位の人口規模。一人当たりGDPは通貨フリヴニャのレートが弱いため、米ドルに左右されやすく流動的で、約2,500ドルとベトナムなどと同等のレベルです。2016年5月のIMFの予測では、1,854ドルへ更に低下すると言われています。

 出典:世界経済のネタ帳

ウクライナの通貨フリヴニャにはコピーイカという補助通貨があり、1フリヴニャ=100コピーイカ。このコピーイカ、今の生活水準的にはほぼ利用されておらず、現地でもらうと使い先に困ります(笑)

ウクライナの基礎データ


ウクライナ
首都: キエフ
通貨: フリヴニャ
人口: 4549万 (2013年) 世界銀行
主要民族: ウクライナ人(約8割)、ロシア人(約2割)等
公用語: ウクライナ語 (ロシア語も広く使われている)
主要宗教: キリスト教 (ウクライナ正教など)
概説: ウクライナは、東ヨーロッパの国。東にロシア連邦、西にハンガリーやポーランド、スロバキア、ルーマニア、モルドバ、北にベラルーシ、南に黒海を挟みトルコが位置している。 16世紀以来「ヨーロッパの穀倉」地帯として知られ、19世紀以後産業の中心地帯として大きく発展している。(出所:wikipedia)

キエフの公共交通機関

首都キエフでは地下鉄が3路線走っており、1路線が現在建設中。その他にマルシュルートカと呼ばれる乗り合いタクシーなども。UBERも使えるので、言語面が心配な方はUBERの方が安心でしょう。

タクシー配車アプリ「UBER」を、海外の出張・旅行先で必ず選ぶ4つの理由

なお、主要空港であるボルィースピリ国際空港から市内への移動に関しては、下記の記事に詳しく書かれています。

ウクライナ、キエフ(主に注意すべきことや移動手段など) (4travel.jp)

ウクライナの治安・ビザ情報

2017年時点で、ロシア国境に近いドネツク州や2014年に紛争のあったクリミア半島は渡航中止勧告が外務省から発出。ウクライナに渡航する際、日本人は90日まではビザ不要ですが、渡航時はウクライナ東部には行かないよう注意しましょう。

この記事を書いている最中にも、ウクライナ東部で戦闘がありました。訪れるなら首都のキエフ(Kiev)や、古都リヴィブ(Lviv)など渡航先を限定すべきです。

なお首都キエフではスリなどの軽犯罪被害が報告されています。下記記事に生活・治安情報をまとめてますので、参照ください。

ウクライナのスリ・治安について

ウクライナの食文化

主食はパンであり、パンに類する食品も多い。その中で、ヴァレーヌィク(ウクライナ風餃子)、ハムーシュカ、フレチャーヌィク(団子)、コールジュ、コロヴァーイ(ケーキの一種)、パスカ(復活祭のパン)、クチャー(小麦か米の甘いお粥)などがある。魚・肉の料理が比較的に少なく、スープや野菜の煮物などの料理が圧倒的に多い。世界的にも有名なウクライナ料理ボルシチは、大まかに50種類以上のレシピがある。肉料理は豚肉料理、魚料理は鯉類料理が一般的である。さらに、肉料理としてサーロ(豚の脂身の塩漬け)が頻繁に利用される。 飲み物は甘い、もしくは甘辛いものが多い。メドウーハ(蜂蜜酒)、ホリールカ(唐辛子入りのお酒)、ナスチーイカ(果実酒)、クヴァース(液体のパン)などがある。(出所:wikipedia)

ロシア料理として有名なボルシチですが、実はウクライナが起源。過去にモンゴル帝国の侵略を受けた背景から、バレニキと呼ばれるウクライナ風餃子なども存在します。日本では聞きなれない「鯉(こい)類料理」も試すのも良いかもしれません。

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ウクライナの金融事情・株式市場

ウクライナ証券取引所は1991年設立。S&Pによると「Frontier Market(フロンティア・マーケット)」との格付けがされており、投資適格については「B」と最低ランクとされています。

ウクライナの主要銀行と銀行金利

首都キエフ在住者(ウクライナ人)が良く使う、主要銀行は下記の2行。前者のPrivatBankの利用者が多いイメージです。銀行金利が非常に高金利。ウクライナフリヴニャ建ての1年もので10,90%(2017年1月末)。しかし、インフレが激しく通貨も下落傾向で、預金してもメリットはさほど無さそうです。

ウクライナのインフレ率

平均10%を超え、オレンジ革命やクリミア紛争のあった2014年には60%に達しています。

出所:http://www.tradingeconomics.com/

通貨ウクライナフリヴニャの為替推移(対米ドル)

出所:http://www.xe.com/ (画像は2017年1月末現在)

特筆すべき点は、2014年以降フリヴニャは対米ドルで約4分の1に下落していること。内戦は終結したものの通貨は弱いまま。リスクはありますが、旅行者にとっては良い環境と言えるかもしれません。

実際にキエフへ渡航すると分かりますが、現地の生活水準は決して低くありません。農業が盛んで美味しい料理も為替の影響で安く食べられます。

ウクライナのお勧めホテル

 Premier Palace

首都キエフで観光学科に通う大学生に聞いたところ、下記のホテルを強く推されました。特に「11 Mirrors Design Hotel」は複数がトップチョイスに挙げるほどの知名度。キエフは安いホテルも多いですが、治安を考えると高級ホテルも良いでしょう。ハイアットやヒルトンなど世界的なチェーンもありますが、ロシア風のホテルもいくつかあります。

ウクライナ関連おすすめ書籍


ウクライナの歴史―ヨーロッパ最後の大国 (中公新書)

ルーマニアやポーランド、タタール族、ロシアなどウクライナの歴史を知る上で欠かせない一冊。お勧めです。


いかがでしたか?

治安の悪い地域もありますが、4,500万の人口を有するウクライナの潜在力が高いのは間違いなさそう。通貨も安くなっており、投資には面白い環境。政治や地政学的リスクは考慮しましょう。

渡航時はウクライナ美女だけでなく、銀行口座開設や不動産投資など外国人による投資がどの程度解放されているか、現地で調査をしてきました。

初のウクライナ渡航は、首都キエフへ2017年4月。その後10数回渡航していますが、さすが欧州、レストラン一つとっても味やサービスも洗練されています。そしてその割に物価が安い。詳しくは下記記事を参照ください。

<こちらの記事も合わせてどうぞ!>

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バンコク在住、タイ不動産のラ・アトレアジア(タイランド)元代表。2013年にバンコクへ移住し、不動産仲介会社設立。バンコクのコンドミニアム「168 Sukhumvit 36」をJV開発後、退任し日本に帰国。現在はウクライナ・モンゴル・ラオスなどの不動産事業を手掛ける。岡山県倉敷市出身。

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