キルギス、鉱石資源に恵まれた国の基礎データ/経済環境

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キルギス共和国の首都ビシュケクへ行ってきます。かつてキルギスタンと呼ばれたキルギスは、以前はソ連の一部で、1991年に独立後、積極的に市場経済への移行を進めてきた国。独立国家共同体 (CIS) 加盟国でもあります。

国土のほとんどが山岳地帯で、鉱石資源が豊富。豊富な若年層と高い出生率を誇り、海外直接投資も増加傾向にあるキルギスについて紹介します。

キルギスタンが面白いと考える3つの理由

  1. 一人当たりGDPが1,200USD、今後の成長ポテンシャルが高い
  2. 金など豊富な鉱石資源を持つ
  3. 若くて安い質の高い労働力がある

最も注目すべき点はキルギスの成長ポテンシャルでしょう。CIAのデータによると高齢者人口(65歳以上) は僅か4.9%で、出生率も3.10と高いのが特徴。人口は約600万人と少ないものの、若者が多く今後経済が発展すれば現在約1,200USDの一人当たりGDPは加速度的に上昇していくのは間違いありません。

キルギスは、中央アジア諸国の中で最も早く民主化し、市場経済化を進めてきました。旧ソ連諸国で初めてWTOに加盟も果たしています。主な産業は金採掘程度で他に農業・畜産業。外資が流入する地盤が出来れば、急激な発展をしていく可能性を秘めた国と言えるでしょう。

キルギスの基礎データ

キルギス共和国
首府: ビシュケク
通貨: ソム(KGS)
人口: 590万 人 (2015年)
公用語:キルギス語、ロシア語
主要宗教:イスラム教
概説:国土全体の40%が標高3000mを超える山国。国土は東西に長く、中国との国境には天山山脈が延びる。南に位置するタジキスタンに向かってパミール高原が広がる。 (出所:wikipedia)

立地的にはユーラシア大陸の中心に位置し、中国の新疆ウイグル自治区、ウズベキスタン、カザフスタンなどと隣接している。CIS諸国とアジアの間に位置しており、陸路では中央アジアの重要なトランジット・ルートとなっている。

(出所:世界経済のネタ帳

国のGDPは過去10年間で3.5倍増加。GDP成長率は、2013年に10.9%を記録して以降、2014年4.0%、2015年3.9%、2016年3.8%、2017年の成長率も3.5%プラス成長を維持している。

キルギスタンの公共交通機関

首都ビシュケクでの主な交通手段は、下記の3つ。旧ソ連諸国はソビエト時代に作られた地下鉄を持つ国が多い中、キルギスはモンゴル同様に地下鉄が敷設されてないのが特徴。従って、観光客には利用しづらい下記の交通手段で移動する必要がある。

  • マルシュルートカ(乗合バス)
  • タクシー
  • バス

マルシュルートカ(ロシア語: маршрутка)は、ロシア、ウクライナ、バルト三国など、もとソ連圏諸国でよく見られる、乗合タクシーに似た小型の乗合バスである。(出所:wikipedia)

首都のビシュケクではあちこちで「マルシュルートカ」と呼ばれる乗合バスが走っており、値段も安く便利。ルートと値段が予め決められており、市内を巡回している。

キルギスタンの治安・ビザについて

外務省発表の海外安全情報では、2018年11月現在、キルギスタン全域に危険レベル1~2が発表されている。国境付近ではレベル3の所もあり、渡航は控えるよう警告が外務省から出ている。隣国への陸路移動はお勧めできない。

キルギスは,以前からイスラム過激派組織の移動経路,麻薬密輸の運搬経路とされており,特に南部地域では,治安当局の取締りにより,多くの関係者が拘束されるとともに,武器等も押収されており,現在もテロ企図事案・宗教過激主義団体による犯罪が摘発されています。また,南部山岳地帯では,1999年にイスラム過激派組織による邦人技術者等4名の誘拐事件も発生しています。(出所:外務省 ※2018年11月17日)

ビシュケクのあるキルギス北部は比較的安全との事だが、夜中に出歩いたり、スリには注意するよう喚起されている。また、警察官が旅行者に対して行う詐欺の事例が多い。所持品検査をすると装い、金品を奪われるとの事例が多々あります。

なお、日本人はビザなしで60日以内の滞在が可能となっている。

キルギスタンの食事について

伝統的なキルギス料理では羊肉や馬肉を用いることが多く、様々な乳製品を多用する。料理技術や主な材料はキルギスで伝統的に行われてきた遊牧民的な生活様式に大きな影響を受けている。(出所:wikipedia)

キルギスの主な宗教はイスラム教で、一般的な料理に豚肉は使用されない。主食は円形のナンであり、お米を使った料理や、麺料理を食べる時でさえも、ナンを同時に食べるそう。馬乳酒なども有名。

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キルギスタンの経済状況

農業および牧畜、鉱業が主である。農業は主として輸出品目にもなっている綿花、タバコの栽培が活発に行われている。鉱業、金、水銀、アンチモンなど。1997年に採掘がはじまったクムトール鉱山は、世界屈指の金鉱山である。また水銀(ハイダルカン鉱山)は2002年のデータで世界第3位の産出量を誇っている。  (出所:wikipedia)

キルギスは海外投資を呼び込むビジネス環境作りに励んでおり、過去10年で海外直接投資は4倍以上に増えている。さらに2017年ジェエンベコフ新大統領が就任し、ロシアや中国との戦略的パートナーシップなどで更なる経済発展を目指すとした。

また、キルギスの税制はVAT12%で、法人税10%、所得税も10%と周辺諸国に比べても低い。なお、キルギスの経済環境に関する情報は下記URLにて良くまとめられている。

インタビュー:「キルギスのビジネス環境の今と今後の可能性」
経済の基盤強化を目指すキルギス (JETRO)
キルギス概況(在キルギス共和国日本国大使館)

キルギス共和国の基礎データ・アクセス方法まとめ

  • 高い出生率と若い労働力人口
  • 鉱石資源が豊富で、人口も少ないことから一人当たりGDP急成長の可能性
  • 日本人はビザ無しで60日以内の滞在が可能
  • 日本からの直行便はなく、イスタンブール、モスクワ経由

いかがでしたか?世界的にはあまり知られていないキルギス。しかし日系上場企業が既に進出するなど、経済環境も妙味のある国と言えるでしょう。先駆者メリットを得るためにも早めに調査しておきたい国の一つです。

外国人にも門戸を開放している国の一つで、現地で実際にどの程度投資環境が解放されているか、所得や物価、インフラ環境も交えて調査をしてくる予定です。(グロビジ!)にて後日紹介しますので、ご期待下さい!

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バンコク在住、タイ不動産のラ・アトレアジア(タイランド)元代表。2013年にバンコクへ移住し、不動産仲介会社設立。バンコクのコンドミニアム「168 Sukhumvit 36」をJV開発後、退任し日本に帰国。現在はウクライナ・モンゴル・ラオスなどの不動産事業を手掛ける。岡山県倉敷市出身。

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