タイでLTF(長期投資信託)を買って節税する方法。

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タイで個人所得税を節税する方法に、LTFの購入があります。LTFを購入した納税者は、個人所得の最大15%もしくは50万バーツの低い方を限度として、個人所得税から控除可能です

タイの個人所得税は日本と比べ控除額が少なく、いかに節税するかは外国人にとって懸念事項。今回は2018年11月に報道されたLTF減税も含め、タイのLTF(長期投資信託)について紹介します。

タイのLTFで節税するための基礎知識

バンコク銀行の 「B-LTF」 5年チャート

  • 購入には労働許可証(ワークパーミット)が必要
  • 銀行の窓口で販売資格を持った行員から説明を受け申込む
  • LTF専用の通帳or口座ができ、その後は窓口でLTFを購入可能
  • 最低購入額は5,000バーツ
  • 購入後5年間は売買が出来ない ※改訂予定あり
  • 個人所得の最大15%もしくは50万バーツのいずれか低い方を限度として、個人所得税から控除可能 ※改訂予定あり

個人所得に応じ上限はあるものの、購入額だけ個人所得控除を受けられるのがLTF(長期投資信託)。私はバンコク銀行の「B-LTF」を最初に買いました。価格は今のところ、上昇中(上記チャート参照)。各銀行が複数のLTFを取り扱っており、運用方法も異なります。

バンコク銀行の行員にヒアリングをしても、日本人のLTF購入者はまだまだ少ないよう。投資信託なので価格変動リスクはありますが、資産運用の選択肢に入れると良いでしょう。節税も可能です。

LTFの節税効果に関するタイ国内の報道

タイバーツ紙幣LTF

LTFによる節税効果は延長される見込み

タイの給与所得者などがLTFへ多く投資していることを受け、LTFの税制優遇措置が税務署によって見直される可能性がある。

しかしながら、LTF購入後の売買禁止期間は長期化する可能性が高く、現行の5年間に対し7年もしくは10年となる見込みだ。財務長官のPrasong Poontaneat氏も言及した。LTFの税制優遇措置は2019年に期限を迎えるが、延長される場合は、先述の通り売買禁止期間が長期化する可能性をはらんでいる。

タイ・キャピタルマーケット委員会前会長のPaiboon Nalinthrangkurn氏は、LTF投資に対する減税措置の見直しはまだ結論が出ていないものの、節税効果は消滅するようにも思えると話す。

(出所: Bangkok Post 『LTF tax incentive could be extended』 筆者翻訳・要約)

※LTFの税制優遇措置は、2018年末時点でも継続されています。

タイのLTF購入に関する個人的な私見

節税可能なタイの方法

LTFは当初2014年のクーデター後、減税措置終了との噂もありました。しかし、2015年の閣議決定で「2016年以降の3年間のLTFに対する税制優遇措置の延長」を承認し、今に至ります。タイでは節税方法が少なく、積立保険や年金保険だけではカバーできない所得を控除するのにLTFの購入は有効。

売買禁止期間も5年→7年 or 10年に延長される報道も過去4年以上変化がありませんが、2018年11月の報道で「今後のLTFによる節税について新たな動き」が出ています。早速見てみましょう。

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2019年以降のLTFによる減税効果(2018年11月報道)

(表出所:Bangkok Post “Loss of privilege irks LTF investors“)

上記の表を要約すると下記の通りで、2019年度以降は現在額や条件、LTFへの投資ポリシーが変更される予定。

  • 投資ポリシー:国内株への投資が純資産価値の65%を下回らないようにする→インフラ株や永続的なインフラインデックスファンドに50%を投資する
  • 投資ファンドのロックアップ(売却不可)期間:7年(暦年)→10年
  • 減税特典:50万バーツを超えない範囲で個人所得の最大15%相当額→10万バーツを超えない範囲で総投資額の20%
  • 減税補記:累進課税に応じ減税が受けられる→税率によらず投資額の20%

LTFは上記投資ポリシーの通り、一定額がタイ国内の株式に投資されるよう求められており、政府がタイ株式の価格を安定的に推移させるための商品である事が分かります。LTF減税が2019年以降も継続される動きなのは、投資家やタイ居住者にとって朗報と言えるでしょう。リスクを考慮し、負担の無い額をLTFに投資すべきです。

2015年以降、筆者が購入している「配当付きLTF」とは?

今年は米国利上げを待って、節税用のLTFを購入予定。去年買ったクルンシリ銀行の配当付きLTF「AJFDLTF」は税引後利回りも3.3%を超え、且つ税金還付されるので今年もコレかなと。昨年からの値上がり率は約2%

 twitter posted at 14:38:51

2016年11月に上記ツイートをしましたが、配当も無事着金。LTFも投資信託のため管理手数料が必要で、それも考慮して銘柄選びが重要です。このクルンシリ銀行の配当付きLTF「AJFDLTF」の場合は管理手数料2.0%、バンコク銀行の「B-LTF」は1.5%です。(クルンシリのステマではありません)

なお、タイのインデックスファンドについては下記の記事が詳しいです。ちょうど調べたかった事が網羅されており、ちょっと感動してしまいました。お勧めです。

タイ主要銀行の投信(LTF)を比較【アユタヤ銀行がお得】 (タイで現地採用夫婦のブログ)

LTFの購入は年末までに!翌年の確定申告も忘れないように

いかがでしたか?LTFの多くはタイの証券取引価格(SET)に連動しているものが多く、SETが下がった時は購入のチャンスと言えます。タイ株の取り引きやお勧めのチャートサイトに関しては下記の記事を参照ください。

タイ株投資に欠かせないオススメサイト2選

翌年に所得税還付を受けたい場合、年内にLTFや保険を購入し、翌年3月までに確定申告をする必要があります。ご注意ください!

<こちらの記事も合わせてどうぞ!>

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バンコク在住、タイ不動産のラ・アトレアジア(タイランド)元代表。2013年にバンコクへ移住し、不動産仲介会社設立。バンコクのコンドミニアム「168 Sukhumvit 36」をJV開発後、退任し日本に帰国。現在はウクライナ・モンゴル・ラオスなどの不動産事業を手掛ける。岡山県倉敷市出身。

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