タイ不動産ディベロッパー社長インタビュー!「2015年の不動産市場はこうなる」

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タイの大手上場ディベロッパーや、タイ不動産協会などの識者が、「2015年のタイ不動産市場」の見通しを発表しました。英字新聞 『The Nation』のインタビュー記事からご紹介します。

2015年のタイ不動産市場は5~10%成長する

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バンコク都心の人気コンドミニアム Rhythm Sukhumvit 42

住宅市場の価格は来年5〜10%上昇するだろう。特に大量交通機関の新路線沿いが中心となる。と、タイ国内の主要ディベロッパーは異口同音に語る。

「2015年の不動産市場は、最大10%上昇するでしょう。一戸建てや土地の価格は、少なくとも5%は上昇する」プルクサ(タイの上場ディベロッパー)のCEO、Thongma Vijitpongpun氏は、そう話した。

2015年、政府は交通インフラ整備計画を実施する予定だ。これは2014年以上の景気増進を狙ったもの。住宅需要は、購入の見送りが発生した今年の前期に比べると、第四半期は回復が鮮明となっている。前述のThongma氏は、自宅の購入需要は来年もさらに強くなるだろうと見解を述べた。

サンシリ(タイの上場ディベロッパー)のSrettha Thavisin社長は、「もしGDPが3%増加すれば、不動産市場は4.5%伸びを示すでしょう。なぜならGDPの1%成長は、不動産市場で1.5%の成長を意味するからです」と語る。

「来年の不動産市場の成長は、タイの経済が成長するかどうかにかかっている。しかしながら2015年の市場は、今年より確かに良くなる」と、同氏は続けた。

「市場は今年前半に停滞した。年の後半に入ると回復し始めたが、通年の市場成長という意味では十分ではなかった。しかし2015年はタイの政治が安定する点に確信を抱いている。それは、国の経済を牽引し、また不動産市場を持ち上げるだろう」と結論付ける。

タイの不動産協会のPornnarit Chonchaisith会長は、2015年の不動産市場について、政府のインフラ整備計画のおかげで5-10%は成長するだろうと予想する。バンコク都心部での強い住宅需要を創出し、特に延伸工事が進む公共交通機関の沿線への影響が大きい見込みだ。

2015年に誕生する「ASEAN経済共同体(AEC)」も、バンコクや隣国に近い地方都市での住宅需要を喚起するだろう。地元や外国人の住宅購入者がAECのための拠点として使うことになる公算が強い。「彼らはに滞在するための住居、特にコンドミニアムが必要となるでしょう」と、住宅ビジネス協会のAtip Bijanonda会長は語った。

金利引き上げによる不動産への影響

しかし、金利が引き上げられる可能性も忘れてはならない。不動産市場を抑圧する可能性があるからだ。 「金利が0.25%ポイント上昇した場合、100万バーツのローンに対して、約250バーツ月々の住宅ローン支払額が増加する。

つまり金利上昇は住宅購入者のコストが増大するということだ」と、タイ・コンドミニアム協会のPrasert Taedullayasatit会長は話す。 「しかし、私は現在の政策金利が維持されれるか、来年の下半期に引き上げられるかに関わらず、不動産市場は今年よりも高い成長を示すでしょう」と、同氏は語った。

住宅と土地の価格上昇

住宅の購入者は、近い将来3-5%を余分に支払う必要が出てくる可能性が高い。立地にもよるが土地価格も5~10%上昇する見込みだ。さらに、建設資材も3~5%高騰する可能性がある。

プルクサのThongma CEOは「インフレが住宅価格の値上げを強制するでしょう」と話す。 不動産ディベロッパー、イサラの Issara Boonyoung CEO兼社長は「今年はまだ、バンコク郊外のタウンハウスで90万バーツという価格を見たが、来年同じ場所のタウンハウスは100万バーツか150万バーツとなるでしょう。

建築材料と人件費の上昇によるものです」と見解を語った。 住宅ビジネス協会のAtip氏は、「バンコク都心部の地価は来年5-10%高騰する。その理由として、利用可能な更地が限られていること、バンコク都心部から郊外へと伸びる新駅の沿線沿いの地価高騰が見込まれるから」と話した。

(出所: The Nation “Residential market to grow 5-10% in 2015” 筆者翻訳・要約)

2015年のタイ不動産市場、識者による予測まとめ

Pruksa CEO Pruksa CEO Thongma Vijitpongpun 氏

  • 「2015年の不動産市場は最大10%上昇する。一戸建てや地価は、少なくとも5%は上昇。インフレが住宅価格の値上げを強制する」 プルクサCEO Thongma Vijitpongpun氏
  • 「2015年の不動産市場は、今年より確かに良くなる。2015年はタイの政治が安定する点に確信を抱いている」 サンシリ社長 Srettha Thavisin氏
  • 「2015年の不動産市場は、政府のインフラ整備計画のおかげで5-10%は成長する」 タイ不動産協会 Pornnarit Chonchaisith会長
  • 「ASEAN経済共同体の発足(2015年予定)が、バンコクや隣国に近い地方都市での住宅需要を喚起する」 住宅ビジネス協会 Atip Bijanonda会長
  • 「政策金利に関わらず、不動産市場は今年よりも高い成長を示す」 タイ・コンドミニアム協会 Prasert Taedullayasatit会長
  • 「バンコクで今年発売された90万バーツのタウンハウスは、地価および建築材料と人件費の上昇に起因し、来年は100万バーツ~150万バーツで取引される」 イサラ Issara Boonyoung CEO兼社長

今年の前半は、前インラック政権に対する反政府デモなどの影響で、実際にタイの不動産市場は伸び悩みました。しかし、2014年も後半に入り、コンドミニアムも新規販売が続々とスタート。特に人気の物件は初日に100室以上売れるなど、タイ国内の景況感も回復しています。

識者のコメントにもあるように、2015年のタイ不動産市場は楽しみです。具体的には、ASEAN経済共同体(AEC)の発足などを控えるほか、タイ人の収入も年々増加(平均約5.5%/年)し、中産階級に厚みが出てきているため、個人でも買いやすいコンドミニアムなどの住宅需要が増している背景があります。

株式会社株式会社ラアトレ・アジア(タイランド)

タイ不動産の基礎知識やメリット・デメリットは上のサイトでご紹介しています。僕もタイで、バンコク・パタヤのタイ不動産内見アテンドをさせていただいておりますので、遠慮なくお問合せください。

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バンコク在住、タイ不動産のラ・アトレアジア(タイランド)元代表。2013年にバンコクへ移住し、不動産仲介会社設立。バンコクのコンドミニアム「168 Sukhumvit 36」をJV開発後、退任し日本に帰国。現在はウクライナ・モンゴル・ラオスなどの不動産事業を手掛ける。岡山県倉敷市出身。

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