バングラデシュ第2の都市チッタゴンを訪れました。これまでに首都ダッカの主要エリアやバングラデシュの物価を紹介しましたが、今日はバングラデシュ最大の港湾都市チッタゴンをご紹介します。
バングラデシュ最大の海上輸出の拠点、チッタゴン
首都ダッカとチッタゴンの位置関係 (チッタゴンからインド・ミャンマーの国境まで陸路で2時間程度)
チッタゴンの人口は約350万人と言われ、バングラデシュ第2の経済都市。洗練されているとはまだ呼び難い場所ですが、今後の発展が期待できそう。国内最大の港を持ち、日本で例えるなら横浜、タイならレムチャバン港を持つパタヤ(チョンブリ県)がイメージに近いでしょう。
チッタゴン中央駅前
チッタゴンの人口は増加傾向にあります。バングラデシュは人口の95%がムスリムで、出産制限を設けない教えが影響していることもあるでしょう。街自体が今後大きくなり、発展してくのは間違いありません。
バングラデシュ在住の日本人は、外務省の基礎データによると約850名(2013年10月次点)。そのうち、100名前後がチッタゴンに住んでいると言われています。
チッタゴン駅で繰り広げられるパクチーの競り
前述の通り、チッタゴンは国内最大の港湾都市で輸出入の要所。そのため、首都ダッカ~チッタゴンまでの道路はバングラデシュでは珍しく整備が進んでいます。飛行機ならダッカから所要40分、陸路なら6時間程度で到着します。
縫製業が輸出の80%を占める。脆弱な経済基盤がバングラデシュの課題。
チッタゴン港に停泊する小型船舶
バングラデシュ経済の問題点は、輸出の80%を縫製業が占めていること。製造業が他国へ流出してしまえば、国の外貨取得手段の大部分を逸失するという脆弱な基盤が懸念されます。
最低賃金6,500タカ(約1万円)前後の安い人件費を利用し、日系ではユニクロ、台湾や欧米企業など外資が進出しています。人件費の高騰が続く中、政府がどう対処するかがカギになるでしょう。当然、チッタゴンも輸出入の要衝ですから、影響は免れません。この点は注意しておくべきポイントです。
バングラデシュでビジネス進出する懸念事項、「資産持ち出し禁止」
チッタゴン市街裏通り
バングラデシュで事業をすると仮定し、最大のネックは「資産の持ち出し禁止」でしょう。利益を得ても、国外送金・持出しが難しいのです。新興国ですから裏ワザは存在するでしょうが、正規ルートではNG。日本人が中小規模でビジネス・投資をするには、少し早い気がします。
▼都市別安全情報 ダッカ (日本海外ツアーオペレーター協会) ※持ち出し規制に関する記載有り
もちろん、今現地へ参入すれば、「先駆者メリット」は獲得できるでしょう。首都ダッカでも同様です。カンボジアの浦江亭やSUSHI BARのように、現地の富裕層をターゲットにしたビジネスは面白いと思います。実際、ダッカのボナニにて「KOBE」という日系ステーキ店が2014年12月に開業しました。
これまで5回に分けて、バングラデシュの記事を書きました。現地も視察した結論として、投資するなら間違いなくハイリスク・ハイリターンとなる国です。資産持ち出し禁止をどうクリアするかも重要でしょう。ご興味がある方は以下のリンクから他の記事も読んでみて下さい。僕は数か月以内にまた訪問するはずです!
▼バングラデシュ滞在記まとめ。投資先・旅行先として、今ダッカは有望なのか?
バングラデシュ国づくり奮闘記――アジア「新・新興国」から日本へのメッセージ
<こちらの記事も合わせてどうぞ!>
▼アジア最貧国バングラデシュの下町、オールドダッカ・カウランバザールを歩いてみた。
▼ダッカの「グルシャン、ボナニ、モティジール」、アジア最貧国のビジネス街が大きく発展中。
▼バングラデシュに来ています。首都ダッカの物価や今後の可能性について。
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▲チッタゴンのホテル22軒 (agoda)


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