はじめてのコンドミニアム開発@バンコク、12月にショールームOPEN

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バンコクのトンローでタイのディベロッパーと合弁でコンドミニアムの開発をしています。

今日はタイでコンドミニアムを開発するに至った経緯、何故スクンビット36で開発することになったのかなどの背景を紹介したいと思います。開発に関しては知識の無い私が、ショールームのOPENまでこぎつけたのには理由があります。

私の経営するラ・アトレアジア(タイランド)は、日本国内で25年間マンション開発を手掛けるJASDAQ上場の株式会社ラ・アトレのグループ会社。彼らのノウハウを活かし、コンドミニアム開発プロジェクトをスタートすることに。開発の調整役とマーケティングを含む販売実務全般が私の担当です。

日本企業による日本人向けの投資物件”168 Sukhumvit 36″

168 Sukhumvit 36 exteria

8階建て、総戸数105戸という小規模なコンドミニアムプロジェクト

この”168 Sukhumvit 36“プロジェクトがスタートしたのは今から2年前の2014年。開発主となるアドバンスドリビング社の代表であるピュア氏を販売仲介実績のあった関連ディベロッパーから紹介してもらったのが始まりでした。

彼らは、私とほぼ同じ世代ながら既にバンコク都内で5棟ほど開発を手掛け、両親の世代から言えばコンドミニアムだけでも20棟、他に戸建てやリゾート物件も竣工済み。次のプロジェクトは日本人の多いスクンビットエリアでという構想があり、私に声がかかったのです。

それ以降、都内で日本法人が手掛けたマンションを視察してもらうなど情報交換を進め、アドバンスドリビング社として合弁開発を行うに至りました。顧問弁護士らを交え合弁契約を結び、当時は土地も未取得のため、物件用地の選定からのスタートです。

168 Sukhumvit 36

当初、エカマイやオンヌットなどの候補地がありましたが、最終的にはトンロー駅南側の用地に決定しました。最大の要因は前面道路であるスクンビット・ソイ36が両側通行であること。下のスライドの通り、スクンビット南側で数少ない両側通行のソイです。

スライドにも書いていますが、BTSの走る「スクンビット通り」と南に位置しスクンビットとシーロム・サトーンを結ぶ幹線道路「ラマ4世通り」を直接結ぶ両側通行の通りはソイ24・26・36の3本しかありません。既にK-ビレッジなど商業開発が進んでいるソイ24・26に比べ地価が割安で将来性のあるスクンビット・ソイ36での開発を決めました。

168_sukhumvit_36_road

土地の取得以前から、ボリュームチェックと呼ばれる法令や条例の確認を行い、どの程度の規模の建物が建てられるかを検討します。タイでも日本同様に用途地域などが決められており、開発を決めた敷地は23mという高さ制限で8階建ての建物となりました。

そもそもの合意事項として、合弁での第1弾プロジェクトは「良いものを安く、お客様に還元する」という事が決まっていました。第1弾プロジェクトはブランドイメージを高めるためにも重要です。価格はアッパークラス(平米13~15万バーツ)でも、ラグジュアリークラスの建材を使いたいと、大理石(イタリアから直輸入)を用いたイメージとなりました。

168 Sukhumvit 36 の内装イメージ

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 リビングルームには本大理石、窓は床から天井までと開放感のあるハイサッシを使用

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 30㎡以上の住戸はバスタブ付き、シャワーブースを区分けするなど日本人のライフスタイルを意識

間取りに関しては、当初のマスタープランから侃侃諤諤の議論を経て決定。タイ国内販売を手掛ける合弁先のHarrison社は小さい20㎡台の住戸が売りやすい、日本を含む海外を担当するウチは35㎡~50㎡台の住戸を用意したいという意見で対立しました。

別の日系企業も開発案件が佳境ですが、同様の議論を繰り返しているそう。日タイと国籍が違えば、求めるコンドミニアムの間取りはやはり異なるようです。

168_sukhumvit_floorplan-2

上はプールやフィットネスジムのある2階のフロアプラン。上層階に行くと2ベッドルームもあります。8階は最大135㎡のペントハウスが7室。1階には商業用ユニットがあり、日本料理店の入居がほぼ確定。居住者は階下で日本食を楽しめます。

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タイでコンドミニアム開発をする上での苦労話

バンコクで開発をするにあたって最も苦労しているのは、「スケジュール感の温度差の違い」。良くも悪くも開発業界で成功している企業で、バンコク銀行のファイナンスも決まっており資金面の決済スピードは早いのですが、作業系のスケジュール管理は苦手なようです。私の場合、日本側とタイ側の間に立っているため関係者にご迷惑をお掛けすることも。

今週、会計会社の社長や顧問弁護士の先生と会食中に、タイでは「雨と渋滞は遅刻の理由としてまかり通っている」という話題になりましたが、後述するショールームの建設も「雨」のため遅延したりもしました。管理不足と言われればそれまでですが、今後合弁開発を続けるにあたり、少しずつ日本式スケジュール感に近づけることは私の課題です。

一方でタイ式で良いところは決断の早さ。トップダウンで決定していく点は日本と異なります。特に動きの早いASEANマーケットでは、欠かせない資質だと言えるでしょう。

余談ですが、タイの慣習や文化を理解し、その上で日本の良いところを導入していく”理解力”と、スピード感のある”決断力”がASEANでの事業には求められると私は考えています。本案件とは別で、別の日系上場企業の開発のお手伝いもしてますが、同社は決断が早く理解力ある企業で助かっています。タイでの開発案件のボリュームチェックが先日スタートしました。

2016年7月から日本国内で先行発売を開始

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その後、タイ国内での一般発売に先立って日本で先行発売を2016年7月よりスタートしました。『バンコク不動産投資』の著者である藤澤先生や、『ASEAN不動産投資の教科書』の著者、田中先生をお招きし、定期的に日本国内でバンコク不動産セミナーを開催しています。

おかげさまで合弁先のタイ側がVIP顧客等に販売した住戸も含めると、約60%のお申し込みを頂いています。ここまでたどり着つくまでに応援を頂きました皆様、ご予約頂いたお客様にこの場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。

なお、次回のバンコク不動産セミナーは2017年1月に東京・大阪・名古屋で開催予定です。

168 Sukhumvit 36 のショールームは2016年12月OPEN

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168 Sukhumvit 36 のショールーム (スクンビット・ソイ36)

「雨」のおかげで遅れていたショールーム工事ですが、ようやく12月15日前後にはOPENできそうです。今は合弁先とともにセールススタッフの配置や、オフィスの構築などを進めていますが、これからますます忙しくなりそうな予感。

今後は規模に関わらず日本の開発業者もタイでコンドミニアム事業に続々と進出してくるでしょう。三井不動産・三菱地所に次いで中堅ディベロッパーであるラ・アトレが建てる168 Sukhumvit 36を見にバンコクへ足を運んで頂ければ有り難いです。

168 Sukhumvit 36(hipflat)

※2020年に入り、本稿で紹介した168 Sukhumvit 36が竣工。タイ不動産のポータルサイトHipflatによると、再販価格も徐々に上昇しています。詳しくは上記URLからご確認ください。

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バンコク在住、タイ不動産のラ・アトレアジア(タイランド)元代表。2013年にバンコクへ移住し、不動産仲介会社設立。バンコクのコンドミニアム「168 Sukhumvit 36」をJV開発後、退任し日本に帰国。現在はウクライナ・モンゴル・ラオスなどの不動産事業を手掛ける。岡山県倉敷市出身。

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