
ウクライナの首都キエフに来ています。同国は黒海を挟んでトルコの対岸にある旧ロシア領。1991年に独立した比較的新しい国家です。
ウクライナの所得水準は月3万円前後~。タイより少し低く、カンボジアやミャンマーに近いレベル。物価も安いのですが、街並みは美しく食事も美味しい。そんな素敵な街、ウクライナの首都キエフの物価を紹介します。
元ロシア文化圏の中心キエフ、人口は280万人
ウクライナの物価を紹介する前に、キエフの街の規模とウクライナの地理について紹介しておきます。
キエフの人口は約280万人、キエフ首都圏の人口規模は400万人。ウクライナの人口は1993年の約5,200万人をピークに2013年は4,500万人と減少中です。首都圏規模も東京首都圏の1/8、バンコク首都圏の1/4程度と決して大きな街ではありません。。
ウクライナでは2014年に内戦が起こり、通貨グリブナが大きく下落。対ドルではかつての1/4に。その影響もあり、外国人は驚くほど安い物価で旅行をすることも可能です。早速、見てみましょう。
(参考) 変わり果てたキエフの独立広場【ウクライナ】ハフィントンポスト:2014年
首都キエフの都心カフェでもコーヒー約100円、コスパ抜群の飲食事情
軽食代わりのボルシチとパン。21.5グリブナで、わずか85円。このPuzata Hataはセルフ式レストラン。格安で味も良く、キエフや地方都市でチェーン展開されている。かなりオススメです。
キエフの中心、独立広場近くのカフェ。ハムとチーズのパニーニとコーヒーで68グリブナ(約270円)。Wi-Fiも利用でき、味も本格的。日本やタイで探しても、なかなか食べれないレベル。
ウクライナ人の友人がたまに行くという寿司バーに連れて行ってもらいました。お勧めされたオイシイ寿司とサワークリーム仕立てのデザート寿司、スープうどん、天ぷらなどしっかり食べて3人で650グリブナ(約1,950円)。日本食は少し高めですが、店内は地元の人たちでほぼ満席です。
私はお酒を飲みませんが、ビールなども雰囲気のあるレストランで中ジョッキが30グリブナ(120円)前後~。ワインやウォッカなど総じてアルコールも安価で友人も喜んでました(笑)
タイ以上にタクシーが安い、キエフでの交通費
キエフ市内のタクシー
キエフでタクシーなら「UBER」が便利。近距離なら30グリブナ(120円)前後です。ウクライナのタクシーは交渉制で、口頭で200グリブナと言われた区間が、UBERなら45グリブナ程度で行けました。
キエフ市内は一方通行が多く、UBER到着まで少し時間がかかりますが、タイのタクシー以上に料金が安いのが特徴です。UBERなら行先もGPS入力なので言語面の心配もありません。下記の記事にも書いていますが、出張や旅行で海外に行った際はUBERの利用をお勧めします。
▼タクシー配車アプリ「UBER」を、海外の出張・旅行先で必ず選ぶ4つの理由
キエフメトロ(地下鉄)
市民の足とも言える「キエフメトロ(地下鉄)」は全線4グリブナ。世界一深い場所を走る地下鉄として知られています。詳しくはこちらの記事を参照ください。市内バスも滞在中一度だけ使いました。
待ち合わせ移動にキエフの公共バス初乗車。バス中ほどに位置するおばちゃんにお金を払う仕組み。料金は3グリブナ(約12円)。 pic.twitter.com/cOdw9LSced
— 板野 雅由 @ ウクライナ (@dexter4620) 2017年4月14日
※キエフメトロは2019年に倍の価格(!)に値上げし、現在は全線8グリブナ(約32円)となっています。
ウクライナ国鉄
地方都市に行くなら「ウクライナ国鉄」が便利。今回は利用しませんでしたが、ネットからチケットの予約もできるようです。後述する飛行機でも国内移動できますが、安全性を考えると鉄道が良いかもしれません。
今日はキエフから電車で500キロほど離れたドニプロという都市に移動。きExpress Trainなのでとても快適。こだま新幹線みたいな感じ。料金は470グリブニャ(1,900円ほど) pic.twitter.com/KDgij4nPIT
— iwaking (@iwaking) 2017年4月17日
飛行機(国内路線)
ウクライナの国内航空は、モーター・シッチ航空とウクライナ航空の2社。南のリゾート地オデッサなどへは往復3,000グリブナ(1.2万円)前後から行けます。キエフにいると国鉄利用を勧められるので、安全性は少し気になりますね。
ウクライナのSIMカード
ウクライナに到着後、SIMカードを買う場合はボリスピル空港の到着ゲートに携帯キャリア3社がSIMカードの販売ブースを設けています。2017年9月は1週間のSIM(容量1G)で115グリブナ=約490円と言われました。
なお、上記は空港での外国人価格で、少し高め。街中に出ると正規料金で購入可能。キエフの独立広場の地下にあるショップでは、vodafoneのネット使い放題で75グリブナ=約320円で買えます。
通貨下落で世界最安?キエフの物価まとめ
冒頭でも紹介しましたが、通貨グリブナが対ドルで1/4に下落している事から、コストパフォーマンスが東南アジア以上に高いのが今のウクライナ。街も清潔に保たれ、おいしい食事、美しい街並みを満喫できます。人件費も欧州とは思えないほどの低賃金です。これも通貨下落の影響ですが。
キエフのカフェ。いきなりお客さんが店内のピアノで演奏を始める。何もかもが美しくて、本当に感動するのは最終日だからではないと思う。音声だけでもどうぞ pic.twitter.com/SAn5pV6GGU
— 板野 雅由 @ ウクライナ (@dexter4620) 2017年4月18日
一説には、「世界最高のコスパを誇る国がウクライナ」と呼ぶ人も存在します。東南アジアでビジネスをする私も、今のウクライナのコストパフォーマンスを超える国は、東南アジアには皆無と断言できます。
ウクライナ旅行時の懸念点は言語と治安
旅行する上で懸念すべきは言語面と治安でしょうか。首都キエフにおいても英語が通じにくく、地方都市ならさらに困難になるでしょう。トラブル例などは下記の記事にて詳しく書いています。
また、ウクライナ東部はロシアと紛争中。ドネツクやクリミア半島などは観光で訪れるべきではありません。外務省ホームページの危険情報も渡航前に必ずチェックしましょう。
キエフ市内は特に身の危険を感じることは有りませんでしたが、ひったくりや詐欺なども存在するようです。遅い時間の外出を控えるなど配慮し、ウクライナの美しい街並みを楽しんでください!
※紹介した物価は2017年4月にキエフ市内で調査したものです。ウクライナは年10%を超えるインフレが2014年の革命以降続いており、今後も大きく物価変動する可能性があります。
<(グロビジ!)のアジア諸国物価レポート>
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