日本と世界の自動2輪市場と、モータリゼーションの動向を調べてみた。

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日本の例を見ると、アジアでのバイク急増は間違いない?

アジア諸国ではバイク(自動2輪)天国と言えるほど、街中にバイクが溢れています。一方、日本国内の自動2輪(バイク)市場は、1982年の320万台がピーク。約30年前と比べると、日本でのバイクに対する需要は年々徐々に減少してきました。

日本国内の日本国内でバイク市場が最盛期を迎えた1982年当時、日本の一人当たりGDPは9,431.36ドル。では、「現在のアジア諸国の一人当たりGDPはいくらなのか?」以下のグラフをご覧ください。

タイ・マレーシア・フィリピン・インドネシアの一人当たりGDP推移

(出所:世界経済のネタ帳)

一人当たりGDPベースでは、中国は既に1982年の日本の数値を突破し、ASEANではシンガポール・ブルネイ・マレーシア(下記グラフ参照)も当時の日本を超えてきました。(※ 一人当たりGDPの数値は人口の少ない国ほど、数字が高くなりやすい傾向があります)

ASEANの一人当たり名目GDPタイはまだ、1982年の日本の一人当たりGDP(9,431.36ドル)に届いておらず、今後追い抜くような状態です。インドネシア・フィリピン等に関しては2倍以上の開きがあります。

ベトナム・カンボジア・ネパールなどの一人当たりGDPは、車が普及されるとされる3,000ドルにすら、はるか遠い状態。カンボジアが1000ドルを超えてきたところ。ミャンマーやネパールなどはさらにその下です。

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これからは東南アジアのモータリゼーションが活発化する

タイのバイクの群れ
一般的に、「一人あたりの名目GDPが1000ドルを超えると、バイクによるモータリゼーションがはじまり、3000ドルを超えると、マイカーブームが来る」といわれています。 つまり、東南アジアのモータリゼーションはまだ始まったばかりで、今後さらに拡大していくことでしょう。

実際に2013年の時点での聞き取り調査では、ラオスもカンボジアも以下のような状況です。

「首都のほとんどの家庭で少なくともバイクは所有している。ただし、地方に行くとそうではないこともある。車はまだ本当に裕福な家庭しか所有していない」

アセアンでは、2015年末のAEC(ASEAN経済共同体)の存在があります。関税撤廃後に、モノの自由化が域内で促進されれば、安価な自動2輪・自動車がラオス・ミャンマー・カンボジアなどにも流入し、さらに経済は活発化してくるでしょう。AEC発足まであと1年弱となりました。

タイにおける二輪産業の動向(バンコク銀行)

タイにおける二輪産業の動向 出所:バンコク銀行

今回はモータリゼーションや、自動2輪(バイク)の普及をテーマに、過去の日本とASEANの現在を比較してみました。僕も日本に帰ると、「バイクタクシーの無い国は不便だな」と思うことも正直あります。都市交通機関が発達している国でもそうですから、交通インフラの無い国に取ってバイクは欠かせないものなのです。

ASEAN経済共同体という枠組みが完成し、一つの集合体となれば、地域の経済力はもとより地域の総収入が増加し、中間所得層が徐々に増えていくのは明白です。これからも(グロビジ!)では、現地情報を徹底的にご紹介していきます。ぜひ、ご期待ください!

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バンコク在住、タイ不動産のラ・アトレアジア(タイランド)元代表。2013年にバンコクへ移住し、不動産仲介会社設立。バンコクのコンドミニアム「168 Sukhumvit 36」をJV開発後、退任し日本に帰国。現在はウクライナ・モンゴル・ラオスなどの不動産事業を手掛ける。岡山県倉敷市出身。

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