タイの立法議会は、2014年8月21日に軍政トップのプラユット陸軍司令官を選出。プミポン国王の承認を受け、正式に就任となりました。陸軍司令官の職は今年9月で定年を迎えますが、現在のところは暫定首相と陸軍司令官を兼務する見込みです。
90%以上の賛成でプラユット陸軍司令官をタイ暫定首相に選出
タイの国民議会 (出所:Chaopraya News)
タイ国内の英字新聞『バンコクポスト』によると、ビジネス・経済界のリーダーはプラユット司令官の就任を歓迎。彼の実行力と決断力をともなったリーダーシップは、タイが抱える喫緊の問題を解決するだろうと評価しています。
参考リンク: プラユット・チャオンチャ(Wikipedia)
プラユット司令官に対する、経済界の声
- 「タイ経済に役立つ長期的戦略計画の策定を望む」 Pornsil Patcharintanakul タイ商工会議所副会長
- 「プラユット首相の就任はタイにとって幸運だ。彼は決断力に富み、国と経済のうまく管理している。彼の素早い決断がタイの政治・経済問題を解決し他のアジア諸国に対する優位性をもたらすことを期待している。」Boonsithi Chokwatana サハグループ会長
- 「プラユット司令官が国の政治危機と対立を解消してくれることを望む。新しい暫定政権が外国人投資家に強い投資意欲を築かせるのも重要だ」 Isara Vongkusolkit TCC会長
- 「新首相が発展を加速することを期待している。クーデターの指揮官が首相であることはさして問題ないように思う。外国人投資家は改革への行動に注視している」 Pattera Dilokrungthirapop タイ証券業協会会長
出所:Bangkok Post 『Prayuth wins backing for PM』 筆者翻訳・要約
プラユット新首相に対する考察と、今後の道筋。
タイに暮らしてビジネスをしていると、クーデターで政治を掌握した軍政権の話題には事欠きません。やはりクーデター当日は街の雰囲気もピリピリとしてましたが、2日目からは平安を取り戻しました。というのも、タイ国内では第2次世界大戦後から13度のクーデターを経験しているからでしょう。
クーデターの度に経済は良くなるというのを実体験としてタイ国民が持っています。与党・野党による「票集めのための政策」ではなく、本当の政治が行われるためです。事実、支払いが滞っていたコメ農家への支払が実施され、タイ国内の景況感も、クーデター後に改善しました。上にある経済界の声は、決して嘘・偽りではありません。
今後、プミポン国王による承認を経て、1年後の民政化に向けて政権運営を進めていきます。本当は、このまま軍政権の方が良い政治運営を出来ると思いますが、国際社会の目もあるので、さすがにそうもいかないでしょう。この1年という短い任期の中で、ぜひ積極的な経済促進政策をプラユット政権には期待したいものです。
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