BTSスクンビット線サムローン駅が開業。駅構造の変化とBTSの転換期

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BTSスクンビット線の新駅、サムローン駅が2017年4月3日開業しました。

バンコク都内で最も人気路線であるスクンビット線の南部延伸地域であり、サムットプラカーン県に所在する最初の駅(国鉄を除く)。このサムローン駅では駅の構造が変化し、問題視されている「ある問題」を解決する努力が見られます。早速、紹介します。

サムローン駅、サムットプラカーン県へBTSが延伸

バンコク都市交通BTSスクンビット線が延伸し、サムローン駅が開業しました。同駅はバンコクの隣県、サムットプラカーン県サムットプラカーン市に所在。人口が約43.5万人(2000年)から約79.5万人(2010年)*と急増中のエリアです。 *出所:タイ王国人口統計

サムローン駅周辺は住宅街。バンコクには及ばないもののタイ国内でも指折りの高所得県です。都心であるアソークへはBTSで約30分で通える上、所在するサムットプラカーン県は製造業も盛んで労働力需要もあるため、人口が増加中。タイ各県の所得については、下記記事を参照ください。

タイ人の所得・家計収入まとめ (2017年版)

BTSスクンビット線は東京で例えると山手線。環状線ではないもののバンコク人気No.1の路線です。バンコク都内の人気駅TOP10のうち9駅までがスクンビット線というデータが物語ります。

イエローラインが連結し、サムローンはターミナル駅へ

今回開業したサムローン駅(E15)は将来的にイエローラインが連結するターミナル駅へと変貌します。サムローン駅のあるBTSスクンビット線も順次延伸される予定で、既に駅内に表示がありました。

タイ・バンコクの都市交通計画2018年最新版!(BTS・MRT・エアポートリンク)

バンコクの都市交通インフラ拡大については上記記事にまとめています。イエローラインは今後開発される12路線のうちの一つで、2020年にモノレール形式で開業予定。

「ある問題」と懸念を冒頭で書きましたが、6年ぶりに開業したこの新駅は「BTSを改善する施策」が垣間見えました。次の項で紹介します。

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BTS駅の構造問題。送客能力は既に限界に達している?

バンコク在住でBTSを日々利用すると気づきますが、年5%を超える利用者増で現在4両編成のBTSの旅客輸送能力は限界に達しつつあります。ラッシュアワーは2回待っても乗れない日も。

駅の構造を見ても、既存駅は5両編成で駅の端から端まで一杯になります。上の写真はオンヌット駅の様子ですが、駅のホーム一杯に人が並ぶ日も少なくありません。

新駅、サムローンでは駅の構造が変化

BTSサムローン駅は従来のBTS駅とは違う新しい構造になっていました。上の写真の通り、窓口が駅中央駅に配置され左右2方向から構内に入れるように。他にも改良点がありました。

  1. プラットホームが中央で駅の両端にBTSが停車。(既存駅は駅の中央にBTSが停車し、左右両端から乗り込む)
  2. 乗降口は24カ所(1輌に4つ乗降口があるため6輌まで対応可能、既存駅は20しかない)
  3. 駅の横幅は約15メーター(①の変更に伴うもの、ラッシュ時により多くの人がプラットホームで待てる)

前述の旅客輸送能力を大きく改善するものではありませんが、改善の跡は見られます。既にラッシュアワーは3分に1本のペースで電車が来るBTS。山手線のように10数両編成に改善できる日は来るのでしょうか?

住宅需要、超都心物件の価値が再認識されるか?

タイ不動産を本業とする人間としては、将来的に超都心物件の見直し(価格上昇)が入ると睨んでいます。2017年4月時点で、朝の時間に降りる客の少ないエカマイ~オンヌット間はBTSに乗りづらくなってきました。

そういう意味では現在のミッドタウン(住宅地)を外してウドムスックやバンナー辺りの人気も上昇すると言えるでしょう。同エリアはWizdomやBangkok Mallなど商業施設も今後充実してきます。

利用者の多いサムローン駅、近隣の住宅はタイ人需要が強い

サムローン駅の開業時期が決定以降、面白い現象が起こりました。後述するデパートに近い8階建てコンドミニアムを借りたいタイ人からの問合せが急増。この地区は6,000バーツ前後からプール付きの物件もあり、BTSが通るならと安価な賃料と利便性が評価されたのでしょう。

 

いかがでしたか?不動産の話に脱線しましたが、新しい駅が出来て都市圏が拡大していく姿はいつ見てもワクワクするもの。将来的には蒲田を超えた川崎市のようになるかもと言えば大袈裟でしょうか。

昨年のパープルライン開業に続き、隣県へ拡大するバンコク都市鉄道。終点ベーリンから僅か2分ですが、知らない街並みを電車から眺めに一度乗って見てください。インペリアルワールドという老舗デパートも駅直結です!

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バンコク在住、タイ不動産のラ・アトレアジア(タイランド)元代表。2013年にバンコクへ移住し、不動産仲介会社設立。バンコクのコンドミニアム「168 Sukhumvit 36」をJV開発後、退任し日本に帰国。現在はウクライナ・モンゴル・ラオスなどの不動産事業を手掛ける。岡山県倉敷市出身。

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