タイ人の平均月収と2014年の昇給率を見てみよう!
米タワーズワトソン社の発表によると、タイ国内の2014年平均昇給率は5.4%の見通し。日本は2.3%ですから、2倍もの開きがあります。カンボジアやインドネシアはタイを上回り、8%と9%という昇給率。発展を続けるASEANは好景気に沸いています。
上の表は、2011年からのタイ人の平均月収の推移です。およそ約5%ずつ伸びてきており、2011年に比べると1.5倍近く給与が増加しています。
タイの個人所得税、法人税、VAT率(2014年度)
個人所得税率:5-35%
法人税率:20%
VAT:7%
(出所:Newsclip.be)
元々、個人所得税と法人税については、前インラック政権時に引き下げられていました。VATに関してもアジア通貨危機の1999年に10%⇒7%に引き下げられており、今月2日に軍政権が2015年まで継続することを決めています。
ASEAN各国と日本の法人税を比較してみる!
では、軍政権が発表した法人税率20%。これはどの程度の数字なのでしょうか?
上の表ででご覧いただくと分かるように、ASEAN域内の大半が20%~25%という法人税率を適用しています。シンガポールが17%、フィリピンが30%という点が他と少し違います。日本は安倍首相が、5年以内に法人税を30%未満に引き下げると発表しましたが、少し遅きに失する感は否めません。ちなみに最も法人税率が高い国はアメリカで、約39%となっています。
軍事クーデターでタイは再加速を始める!?
早速ですが、丸紅研究所のレポートの中に、今回の軍事クーデターに関する記載がありますので紹介します。日本では恐れられているクーデターの軍政権も、タイ経済にとって良い影響をずっと与えているのです。
5 月の軍事クーデターにより政治混乱は収束した。軍政による治安の回復、経済テコ入れへの姿勢が評価され、株価は 6 月に入って年度高値を更新した。直接投資認可、不動産販売、家計のマインドなども下げ止まり・回復の兆しをみせた。
(出所:丸紅経済研究所 『中国・アジア情報(2014年上半期)』)
ご存知の方も多いかと思いますが、タイは1975年以降で13回ものクーデターを経験しています。私も2014年6月がクーデター初体験でした。しかし、初日に少し緊迫感があった程度で、その後は生活に一切支障ありません。タイ国民はもっとおおらかで、「これ(クーデター)で経済も良くなるよ」と話します。事実、消費者信頼指数も消費者物価も底打ちしたように見えます。
先日参加した、在タイジャーナリストの方の講演は暗い内容ばかりでしたが、私はタイ経済をポジティブに捉えています。みなさんはどうでしょうか?
<こちらの記事も合わせてどうぞ!>
▼バンコクのショッピングモールの未来予想図。
▼タイの軍事クーデターから1年。あれからタイ経済はどう変わりどこへ向かうのか?
▼タイで相続税と贈与税課税がはじまる?財務大臣が税率について具体的に言及した。


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