先日、『クアラルンプールで、マレーシアとタイはどっちが住みやすいか考えてみた』という記事を公開。すると、マレーシアの不動産会社ナカノプロパティ代表の中野さんから、(グロビジ!)に反論するミサイルが飛んできました(笑)
現地でお世話になった、中野さんはマレーシアLOVE派ですから、反論+ツッコミが凄い長文で返ってきたというわけです。以下の記事をぜひご覧ください。
▼「バンコク在住のブログに物申す!タイとマレーシアならマレーシアだ!」
タイで行われるソンクラーン(水かけ祭り) 毎年4月中旬
かなり的確なツッコミですが、こちらも「バンコクLOVE派」としては黙っていられません。相手が心の広いライバルの中野さんだからこそ出来る激論ですが、マレーシアはイスラム教国ですから「目には目を」という思想は覚悟の上ですよね?(笑)
「タイとマレーシアどちらが住みやすいか?」第3ラウンド、それでは行ってみましょう。そうそう、マレーシアよりもタイでの居住を勧める僕が伝えたいキーワードはバンコクの利便性です。
マレーシアよりもタイ在住を勧める3つのメリット
1. バンコクとクアラルンプールの都市交通について
>マレーシアには過去に10数回来ていますが、都市交通の利便性ではバンコクが格上です。
その通り!私も何度もバンコクに行ってバンコク在住者との交流を図っていますがそれは間違いないです。そこは完敗です。
中野さんも認めていただいた通り、首都の交通の利便性はバンコクがクアラルンプールを凌いでいます。しかし、渋滞に関しては、きつーいご指摘をいただきました。
マレーシアも渋滞がまぁまぁありますが、朝と夕方の通勤ラッシュ時ぐらいです。タイのように「車がビターーー」っと動かなくなるような渋滞はほぼありません。バンコク派からは「なら電車で行けばいいじゃん」という声も聞こえてきそうですが暑い国で車でどこでも移動&駐車場も安いのを経験しちゃうとねぇ、、、。
確かに車を購入したり、会社が支給してくれる「車移動」の方は良いでしょう。公共交通機関になんて乗りたくないという方もいらっしゃると思います。しかし、東南アジアで車を買う場合、日本で購入する1.5倍くらいの値段。大変ですよね。こちらでは車は「ぜいたく品」ですから、輸入関税が高いのです。
この点を考慮すると、移住しやすいのはタイだと僕は思うのです。都市交通網が整っている分、車以外の選択肢が豊富です。ラッシュ時は満員電車ですが、我慢すれば渋滞を避けて「時間を買える」わけです。
さらにカウンターパンチを続けます(笑) 下は今の路線図と、2030年頃までのバンコクの都市交通路線計画図です。将来的な利便性の変化をどうお考えになりますか?ぜひ、ご覧ください。
バンコクの都市交通 2015年1月現在
2030年までのバンコクの都市交通計画図
僕が「大ウソ」を付いているわけではありません(笑) 上の図はバンコク高架鉄道を運行する上場企業BTS社がIR資料として発表したもの。例えば、右下の緑の路線(BTSスクンビット線)は2016年末~2017年初頭に5駅運行開始予定で、現在高架部分はほぼ完成し、駅を作っているところです。
バンコクの高架鉄道・BTSエラワン駅(新駅)建設工事 2015年1月撮影
そうそう、渋滞対策の秘密兵器を忘れていました。バンコクで日本人の集まる繁華街アソークから、バックパッカーの聖地カオサン通りや王宮まで20分という渋滞知らずの交通網があります。風情もあって(時折臭いますが)大変オススメです。きっとこんな利便性の高い乗り物はマレーシアの首都には無いでしょう(笑)
バンコクのセンセープ運河を走る乗合ボート (出所:南の島の物欲と旅行と食べ歩きBLOG)
バンコクの乗合ボートについては、以下のブログに詳しく書かれています。ご興味がある方はご覧ください。
▼「バンコクのセンセープ運河で乗合船に乗ってみた。」 南の島の物欲と旅行と食べ歩きBLOG
マレーシアでも首都クアラルンプールに地下鉄(MRT)が2017年頃に一部完成予定と聞いています。実際に僕もいたるところで工事現場を目撃しましたが、全貌はどうなるのでしょうか。中野さんの再カウンターに期待しましょう(笑)
2. 宗教について
この項のはじめに、特定の宗教を僕が批判するつもりはないことを表明させて下さい。しかし、このトピックを上げるのには理由があります。きっかけは、前回の記事『クアラルンプールに行ってきました。マレーシアとタイって結局どっちが住みやすい?』に対するTacoさんのTwitterコメントです。
物価比較に入ってませんでしたが、私にとって一番大きい問題はビールの値段の違いでした!私はマレーシアには住めません。 RT @dexter4620: クアラルンプールに行ってきました。マレーシアとタイって結局どっちが住みやすい? http://t.co/E8Llnwy0RQ
— taco (@akashi_taco) 2015, 1月 17
僕は下戸なのでウッカリしてましたが、実に重要な情報ですね。Tacoさん、ありがとうございます。先日公開した「マレーシアで働く女性のインタビュー記事」で、20代女性のMさんも同様のことを話してくれました。
例えばハイネケン、バンコクなら50バーツ(約160円)くらいだと思いますが、KLだと12リンギット(約400円)程度かかります。酒税が高いのが原因ではないでしょうか。お酒飲まない人なら、マレーシア暮らしもいいと思いますよ(笑)
ご存知の方も多いと思いますが、マレーシアはイスラム教国です。多民族・多宗教の国とはいえ、イスラムの戒律は重要視されているように見受けます。酒類は高いですし、ラマダン(断食月)もあります。
バンコクのワット・フアランポーン
その点、タイは国民の95%が仏教徒です。日本は大乗仏教で、タイは上座部仏教という違いはあるものの価値観は近いと思います。食事も一部の中華系タイ人が牛肉を食さない程度で、大差はありません。
タイ人は信仰に厚いため、若い男性や女性が、街中で神様に手を合わせているのを見た方もいらっしゃるでしょう。言葉にはしづらいのですが、僕個人としては何故か「いいな」と感じてしまいます。同じ仏教国で安心感もありますし、共感いただける方もいらっしゃるのではないでしょうか?
3. 物価と選択肢豊富な生活レベルについて
バンコクはお金の減りが早い
バンコク、タイのほうが物価が安いのはご承知のとおりですが、実はバンコク中心部の日本人居住区の近くに住むとKL以上にお金の減りが早いのです。何故かと言うと、それだけ誘惑が多いのです。日本人居住者がKLの4−5倍はいると言われるバンコクでは、日本食材、日本レストラン、日系アパレル、日系塾、日系習い事、日系、、、日系、、、、となんでもあります。KLにもひと通りなんでもありますが歩いてすぐにって場所にはないことが多いです。これは負け惜しみ込ですね(笑)
確かに、ご指摘の通り。しかし、結論から言えば生活レベルの選択肢が多いとも言えるでしょう。例えば、日本人街の中心であるトンロー駅前のコンドミニアムに住めば、1ベッドルームでも軽く10万円以上の家賃が必要です。
一方で、日本人が増えつつあるオンヌットのコンドミニアムなら、駅前でも5万~8万円前後、現地採用の日本人に人気のウドムスック駅前のコンドミニアムなら、月3.6万円から借りられます。セキュリティ面であまりオススメはしませんが、月3万円以下のアパートもたくさん存在します。
いつも賑わう、オンヌットのナイトマーケット屋台街
食事も同様です。上のような屋台なら一食40バーツ(約140円)から。日本食なら200バーツ前後(約700円)が目安です。安いものばかりではなく、お金を出せば大概のものが揃うのがバンコク。一人5千バーツ(約1.8万円)という高級すし店まで、選択肢は豊富です。
マレーシアの物価については、「ASEANで働くを近くする アセナビ」さんが、住宅・交通事情も交えて分かりやすく解説されています。下記のリンクから参照してみてください。
▼高級コンドミニアムに暮らせるかも?これがマレーシアのライフスタイル。《金・住・交通編》
バンコク在住を選ぶ場合のデメリット
マレーシアは英語が通じる
やはり一番大きなメリットはここでしょう。そこ以外はそんなに大して双方にメリットでもデメリットでもないと思っています。もちろん生活はできますよ、でもね、異国で特にビジネスをしようと思ったら「いまみたいに、英語でしっかりやりとりできてなかったらお互い誤解したままお互いを不信感をもったままになるんだろうなぁ、、」という状況がよくあります。
国民の英語力においては、マレーシアが上だと認めざるを得ません。これは確実です。その一方で、毎年外国人観光客が2,300万人近く訪れるタイの首都バンコクやパタヤ、プーケットなどは簡単な英語なら比較的通じます。一方でそれ以外の地方都市に住みたいなら、タイ語の習得は必須だと思います。
また、日本人が10万人暮らすと言われるバンコクでは、特にプロンポン駅・トンロー駅を中心に、駐在員や現地採用、リタイヤされた移住組など多くの日本人が生活しています。こうしたエリアのお店は日本人慣れしており、日本語が通じるところもあるほど。これはバンコクならではと言える、訴求ポイントでしょう。
ビザについて
近々MM2Hの要件があげられるという噂がありますし、タイも同じですがいまは円安が激しく、昔ほど簡単に、一般的な所得のある日本人さんならだれでもとれたリタイヤビザというレベルではなくなりつつあります。その点はタイのほうがリタイヤビザはかなり取りやすそうですね
ビザについて、中野さんはタイを推してくれました(推測)。しかし、タイが負けていると感じることもあります。確かにタイのリタイヤビザは「50歳以上」であれば取得も容易。しかし、それ以下の年齢で長期滞在するなら「就労ビザ・学生ビザ」という選択肢に限られてしまいます。(観光ビザは3か月更新)
お金を払えば空港でVIP待遇を受けられ、ビザも優先レーン、自宅送迎付き(回数制限有り)の「タイランドエリート」という特別ビザもあります。価格は50万バーツ(180万円)から。
しかし、学生ビザ更新の際に筆記試験が開始されたりと、取り締まりを強化する方向にあります。50歳以下の場合は、どのように長期滞在するか対策を立てる必要があるので、この点はデメリットと言えるでしょう。
タイとマレーシア、居住する際のメリット・デメリット
タイで日系企業が集まるアソーク(スクンビット)界隈のビル群
いかがでしたか?長文になってしまいましたが、クアラルンプールと比較して、僕が今回挙げたいバンコク在住のメリットは以下の3つです。
- 都市交通の利便性
- 宗教の違い(タイは仏教、マレーシアはイスラム教)
- 物価の安さと選択肢豊富な生活環境
一方で、マレーシアが優れていると思うポイントもあります。既に述べましたが、「英語力の高さ」と「50歳以下でも長期滞在ビザが取得しやすい(MM2H※資産要件有り)」こと。イスラム金融とチャイナ―マネーを集める金融政策も巧みですね。知り合いも多く住んでいますし、また近々訪れるのが楽しみです。
もちろん、これ以外にも教育面やバンコクの治安面など、今回書ききれなかった要素もたくさんあります。中野さんからのカウンターが再度来るかどうか、楽しみにしておきましょう(笑)
長文でしたが、お読みいただきありがとうございました!
追記:マレーシアで不動産を探す際は、ナカノプロパティさんを全力でお勧めします。クアラルンプールの不動産はもとより、インターナショナルスクール等にも詳しくマレーシアへ移住するなら相談してみてください。中野さん独自の視点で書かれているブログも人気があって面白いですよ!
▼「バンコク在住のブログに物申す!タイとマレーシアならマレーシアだ!」
<こちらの記事も合わせてどうぞ!>
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